[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1968年(昭和43年)東京大学-数学(理科)[3]

2020.09.29記

[3] \alpha,\beta は与えられた実数とする.x の2 次式
f(x)=ax^2+bx+c
の係数 a,b,ca+b+c=0 なる関係式を満たしながら動くとき,座標 (f(\alpha),f(\beta)) をもつ点の全体は,平面上のどんな集合になるか.

2024.02.23記
問題文の意味がわかりにくいだろう. a+b+c=0f(1)=0 を意味するので例えば \alpha=1,\beta=1 と与えられた場合,座標 (f(\alpha),f(\beta)) は原点にしかならないので求める集合は原点となる.また例えば \alpha=1,\beta=0 と与えられた場合,座標 (f(\alpha),f(\beta))=(0,c) は任意の c に対して a=1,b=-1-c のように a,b を選ぶことができるので,求める集合は y 軸全体となる.

[解答]
a+b+c=0 なる関係式は f(1)=0 を表す.

ここで f(\alpha)=Af(\beta)=B をみたす (A,B) が存在するための必要十分条件(1,0)(\alpha,A)(\beta,B) を通る2次関数(a\neq 0)が存在することであるから,

「この3点が互いに全て異なり,かつ同一直線上にある」ではない…(★)

ことである.よって

(i) \alpha=\beta=1 のとき
(f(\alpha),f(\beta))=(0,0) は原点

(ii) \alpha=1,\beta\neq 1 のとき
(f(\alpha),f(\beta))=(0,B) は(★)をみたすので任意の B に対して2次関数が存在するので,求める集合は y 軸全体

(iii) \alpha=\neq 1,\beta=1 のとき
(f(\alpha),f(\beta))=(A,0) について(ii) と同様に考えて求める集合は x 軸全体

(iv) \alpha=\beta\neq 1 のとき
(f(\alpha),f(\beta))=(A,A)B=A) について(ii) と同様に考えて求める集合は y=x 軸全体

(v) \alpha,\beta,1 が3つの異なる実数のとき
(1,0)(\alpha,A)(\beta,B) が同一直線上にないことから A:B\neq (\beta-1):(\alpha-1) をみたすので xy 平面から
直線 (\beta-1)x-(\alpha-1)y\neq 0 を除いたもの

となる.