[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1973年(昭和48年)東京大学-数学(理科)[4]

2023.08.09記

[4] 平面上に1辺の長さが 1 の正方形 \mbox{S} がある.この平面上で \mbox{S} を平行移動して得られる正方形で,点 \mbox{P} を中心にもつものを \mbox{T}(\mbox{P}) とする.このとき,
共通部分 \mbox{S}\cap\mbox{T}(\mbox{P}) の面積が\dfrac{1}{2} 以上となるような点 \mbox{P} の存在範囲を図示せよ.またこの範囲の面積を求めよ.

2023.08.09記

[解答]
\mbox{S}|x|\leqq\dfrac{1}{2},|y|\leqq\dfrac{1}{2}とする.

\mbox{P}(x,y) とし,0\leqq x\leqq20\leqq y\leqq 2 の場合について考えたものを考えれば良い.
このとき,共通部分の面積は \left\{\dfrac{1}{2}-\left(x-\dfrac{1}{2}\right)\right\}\left\{\dfrac{1}{2}-\left(y-\dfrac{1}{2}\right)\right\}=(1-x)(1-y)となるので,

=(1-x)(1-y)0\leqq x\leqq20\leqq y\leqq 2

を図示し,これを x軸,y軸,原点について対称移動させて得られる図形が求める存在範囲である.


この範囲の面積は
4\displaystyle\int_0^{1/2}\left(1-\dfrac{1}{2(1-x)}\right)dx=4\left[x+\dfrac{1}{1}\log(1-x)\right]_0^{1/2}=2-2\log 2