[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1974年(昭和49年)東京大学-数学(理科)[1]

2023.08.09記

[1] 自然数 np に対し,n^p を十進法で書いたときの 1 の位の数を f_p(n) で表わす.ただし,自然数とは,123\cdots\cdots のことである.

(1) n自然数の全体を動くとき,f_2(n) の取る値を全部求めよ.

(2) あらゆる自然数 n に対して,f_5(n)=f_1(n) が成りたつことを証明せよ.

(3) n自然数の全体を動くとき,f_{100}(n) の取る値を全部求めよ.

2023.08.09記

[解答]
(1) n=0,1,\ldots,9で調べれば十分で 0,1,4,9,6,5となる.

(2) n^5-n は偶数であるから,n^5-nが5の倍数であることを示せば良い.

\mod 5
n^5-n=n(n-1)(n+1)(n^2+1)\equiv n(n-1)(n+1)(n^2-4)\equiv n(n-1)(n+1)(n-2)(n+2)
であり,連続5整数の中には5の倍数が必ず含まれるので,\mod 5n(n-1)(n+1)(n-2)(n+2)\equiv 0となるので題意は示された.

(3) (2)よりf_{5k}(n)=f_{5}(n^{k})=f_{1}(n^{k})=f_{k}(n)だから
f_{100}(n)=f_{20}(n)=f_{4}(n)=f_{2}(n^2)
となり,(1)より
0^2,1^2,4^2,9^2,6^2,5^2を考えて0,1,5,6となる.