[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1974年(昭和49年)東京大学-数学(理科)[2]

2023.08.09記

[2] 長さ l の線分が,その両端を放物線 y=x^2 の上にのせて動く.この線分の中点 \mbox{M}x 軸にもっとも近い場合の \mbox{M} の座標を求めよ.ただし l\geqq 1 とする.

2023.08.09記

[解答]
\mbox{M}(X,Y) とおき,線分の両端の x 座標を p,q とおくと
p+q=2Xp^2+q^2=2Y(p-q)^2+(p^2-q^2)^2=l^2
であるから,(p-q)^2\{1+(p+q)^2\}=l^24X^2-2Y=2pq に注意して
(4Y-4X^2)(1+4X^2)=l^2,つまり
Y=\dfrac{1}{4}\left(4X^2+\dfrac{l^2}{1+4X^2}\right)となる.
ここで k=1+4X^2とおくと,k\geqq 1 であり,
Y=\dfrac{1}{4}\left(k+\dfrac{l^2}{k}-1\right)となる.
ここでAM-GMより
k+\dfrac{l^2}{k}\geqq 2l(等号成立は k=l
であり,l\geqq 1であるから,k\geqq 1 の範囲で等号は成立する.よって X=\pm\dfrac{\sqrt{l-1}}{2} のとき Y は最小値 \dfrac{2l-1}{4} をとる.
よって求める座標は
\left(\pm\dfrac{\sqrt{l-1}}{2},\,\dfrac{2l-1}{4}\right)
となる.