[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1976年(昭和51年)東京大学-数学(理科)[1]

2023.08.12記

[1] 負でない実数 rl に対して,xy 平面上の曲線
y=\left\{\begin{array}{ll}
x^2 & (0 \leqq x \leqq r) \\
r^2 & (r \leqq x \leqq l+r) \\
(x-l-2r)^2 & (l+r \leqq x \leqq l+2r)
\end{array}\right.
を考え,
これを x 軸のまわりに回転してできる回転体の体積を V とする.r^2l の和が正の定数 c になるように rl を変化させるとき,
V の最大値を与えるような rl の値を求めよ.

2023.08.15記

[解答]
図形が x=r+\dfrac{l}{2} に関して対称だから
V=2\cdot\pi\displaystyle\int_0^r x^4 dx+\pi (r^2)^2 (c-r^2) :=\pi f(r)
である.このとき
f'(r)=-2r^3(3r^2-r-2c)
であり,r\gt 0 から f'(r)=0 となる rr=\dfrac{1+\sqrt{1+24c}}{6} である.

今,l\geqq 0 より r\leqq\sqrt{c} であり,\dfrac{1+\sqrt{1+24c}}{6}\leqq c\Longleftrightarrow 1\leqq c であるから

(i) c\geqq 1 のとき r=\dfrac{1+\sqrt{1+24c}}{6} で最大値 l=c-r^2=\dfrac{c-r}{3}=\dfrac{6c-1-\sqrt{1+24c}}{18}

(ii) c\leqq 1 のとき r=\sqrt{c} で最大値 l=0