[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1977年(昭和52年)東京大学-数学(理科)

2023.08.16記

[1] k を実数の定数とするとき,x の関数 f(x)=|x^3-3kx|-1\leqq x\leqq 1 の範囲でとる最大値を M(k) で表す.k が実数全体を動くとき,M(k) が最小となる k の値および M(k) の最小値を求めよ.

[2] xy 平面上の,原点 \mbox{O} とは異なる2点 \mbox{A}(a_1,a_2)\mbox{B}(b_1,b_2)に対し,\mbox{OA}=a\mbox{OB}=b\angle\mbox{AOB}=\thetaとおく.2点 \mbox{A}\mbox{B} の座標 a_1a_2b_1b_2有理数であるとき次の 3 条件はたがいに同値であることを証明せよ.

(i) ab有理数である.

(ii) \cos\theta有理数である.

(iii) \sin\theta有理数である.

[3] xy 平面上に,不等式で表される 3 つの領域
A:x\geqq0B:y\geqq0C:\sqrt{3}x+y\leqq\sqrt{3}
をとる.いま任意の点 \mbox{P} に対し,\mbox{P} を中心として ABC のどれか
少くとも 1 つに含まれる円を考える.このような円の半径の最大値は点 \mbox{P} によって定まるから,これを r(\mbox{P}) で表すことにする.

(i) 点 \mbox{P}A \cap C から(A \cap C) \cap B を除いた部分を動くとき,r(\mbox{P}) の動く範囲を求めよ.

(ii) 点 \mbox{P} が平面全体を動くとき,r(\mbox{P}) の動く範囲を求めよ.

[4] 正方形 S の頂点 \mbox{A}_1\mbox{A}_2\mbox{A}_3\mbox{A}_4 がそれぞれ xy 平面上の点 (0,0)(2,0)(2,2)(0,2) の位置にあるとき,点 (1,a) の位置にある正方形 S 内の点を\mbox{P}とする.ただし,0\leqq a\leqq 2 とする.

正方形 S が上の位置から出発し,第一象限内において x 軸上をその正の向きに滑らずにころがって行くとき,点 \mbox{P} が動いてできる曲線を C とする.3直線x=1x=9y=0と曲線 C とで囲まれる図形を,x 軸のまわりに1回転してできる立体を考え,その体積を V(a) で表す.

V(a)aの式で表せ.a0\leqq a\leqq 2 の範囲を動くとき,V(a) が最小となる a の値および V(a) の最小値を求めよ.

[5](新課程)\begin{pmatrix} 1 & 0 \\ 0 & 1 \end{pmatrix}=I\begin{pmatrix} 0 & -1 \\ 1 & 0 \end{pmatrix}=J と書く.行列 A=\begin{pmatrix} a & b \\ c & d \end{pmatrix} と実数 t に対し
A(I-tJ)=I+tJ という関係が成り立つとき,abcdt の式で表せ.

また t が実数全体を動くとき,関係\begin{pmatrix} x \\ y\end{pmatrix}=A\begin{pmatrix} 3 \\ 4\end{pmatrix}で定まる点 (x,y) が動いてできる図形を求め,これを図示せよ.

[5](旧課程)\theta_1\theta_2\theta_3\theta_4\theta_5 を正の数とする.図のように円に内接する 5 角形 \mbox{A}_1\mbox{A}_2\mbox{A}_3\mbox{A}_4\mbox{A}_5 で,1\leqq i\leqq 5 に対し角 \mbox{A}_i の大きさが \theta_i となるものが存在するためには,
\theta_1+\theta_2+\theta_3+\theta_4+\theta_5=3\pi\theta_1+\theta_3\gt\pi\theta_2+\theta_4\gt\pi\theta_3+\theta_5\gt\pi\theta_1+\theta_4\gt\pi\theta_2+\theta_5\gt\pi
が同時に成り立つことが必要かつ十分であることを証明せよ.

[6](新課程)座標の定められた空間において,直線 l2(1,1,0)(2,1,1) を通り,直線 m2(1,1,1)(1,3,2) を通る.

(i) l を含み m に平行な平面の方程式をax+by+cz+d=0 の形に表せ.

(ii) 点 (2,0,1) を通り lm の両方と交わる直線を n とする.ln の交点および mn の交点を求めよ.

[6](旧課程)a を正の定数とし,0\leqq x\leqq 2\pi の範囲で関数 f(x)=-\cos x-\dfrac{a}{4}\cos 2x を考える.

(i) f(x) の最大値,最小値を求めよ.

(ii) a の値の変化に応じて,f(x) のグラフの変曲点の個数はどのように変化するか.また,この個数の変化に応じて,f(x) のグラフの凹凸はどのように変化するか.

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1977年(昭和52年)東京大学-数学(理科)新課程[5] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
1977年(昭和52年)東京大学-数学(理科)旧課程[5] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
1977年(昭和52年)東京大学-数学(理科)新課程[6] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
1977年(昭和52年)東京大学-数学(理科)旧課程[6] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR