[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1976年(昭和51年)東京大学-数学(理科)[5]旧課程

2023.08.12記

[5](旧課程)点 \mbox{P}xy 平面の原点 \mbox{O} を時刻 t=0 に出発して,x 軸上を正の向きに動く.時刻 t において
x\mbox{軸}\mbox{曲線}y=\dfrac{x^2+1}{x+1}y\mbox{軸}\mbox{P}\mbox{を通って}y\mbox{軸に平行な直線}
で囲まれた図形の面積を S とする.\mbox{P} が点 (x,0) を通過するときの S の変化率\dfrac{dS}{dt}x^2+1 に等しいという.このとき St の式で表わせ.ただし \mbox{P} の座標は時刻 t微分可能な関数とする.

2023.08.16記

[解答]
S=\displaystyle\int_0^{x(t)} \dfrac{x^2+1}{x+1} dx
であるから,
\dfrac{dS}{dt}= \dfrac{x^2+1}{x+1} \cdot x'(t)=x^2+1
となり,
x'(t)=x(t)+1
を得る.(x(t)+1)'=x'(t) に注意すると
x(t)+1=Ce^{t} となるので,x(0)=0 とから x(t)=e^t-1 となる.

よって
\dfrac{dS}{dt}=x^2+1=e^{2t}-2e^t+2
だから S(0)=0 とから
S=\dfrac{1}{2}e^{2t}-2e^t+2t+\dfrac{3}{2}
となる.