[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1976年(昭和51年)東京大学-数学(理科)[4]旧課程

2023.08.12記

[4](旧課程)xy 平面上に3つの円 ABC があって,それぞれ
A:x^2+y^2=9
B:{(x-4)}^2+{(y-3)}^2=4
C:{(x-5)}^2+{(y+3)}^2=1
で表わされる.
この平面上の点 \mbox{P} から円 ABC に接線がひけるとき,
\mbox{P} からそれらの接点までの距離をそれぞれ \alpha(\mbox{P})\beta(\mbox{P})\gamma(\mbox{P}) とする.このとき
{\alpha(\mbox{P})}^2+{\beta(\mbox{P})}^2+{\gamma(\mbox{P})}^2=99
となる点 \mbox{P} の全体が作る曲線を図示し,その長さを求めよ.

2023.08.16記

[解答]
\alpha(\mbox{P})^2=x^2+y^2-9
\beta(\mbox{P})^2=(x-4)^2+(y-3)^2-4
\gamma(\mbox{P})^2=(x-5)^2+(y+3)^2-1
であるから,
{\alpha(\mbox{P})}^2+{\beta(\mbox{P})}^2+{\gamma(\mbox{P})}^2=99
に代入して3で割ると
D:(x-3)^2+y^2=27
となる.題意をみたす点 \mbox{P}は3つの円の外側にあれば良い.

CD に含まれ,
BD と接し,
AD\left(-\dfrac{3}{2},\pm\dfrac{3\sqrt{3}}{2}\right) で交わることに注意すると次図の円弧となる.


弧の長さは半径 3\sqrt{3} で中心角が 300^{\circ} だから 5\sqrt{3}\pi となる.