[3] 平面上に,不等式で表される つの領域
,,
をとる.いま任意の点 に対し, を中心として ,, のどれか
少くとも つに含まれる円を考える.このような円の半径の最大値は点 によって定まるから,これを で表すことにする.
,,
をとる.いま任意の点 に対し, を中心として ,, のどれか
少くとも つに含まれる円を考える.このような円の半径の最大値は点 によって定まるから,これを で表すことにする.
(i) 点 が から を除いた部分を動くとき, の動く範囲を求めよ.
(ii) 点 が平面全体を動くとき, の動く範囲を求めよ.
2023.08.17記
[解答]
,, とおく.
,, とおく.
(i) 与えられた領域は に含まれるが には含まれないので, を中心として , のどちらかに
含まれる円の半径の最大値 は から ,への距離の小さい方となるので,その値の下限は が の二等分線と の交点 に近づいた極限となる.そして の値がこの下限より大きい値をすべてとり得ることは, を の二等分線上にとり, から離れるように連続的に動かせることからわかる.
このときの の値は であるから,求める範囲は
(ii) 領域 の補集合を で表すことにする.
点 が のうち (i) でない領域にあるとき, は から ,への距離の大きい方となるので,(i) の下限の値より大きくなる.
同様に考えると,点 が の外部にあるときは, のそれのれの角の2等分線と対辺の3交点に近づいたときの の極限のうち一番小さい値より大きくなることがわかる.
よって 点 が最小となるのは点 が の内部にあるときで,このとき は から3辺への距離の最大値となる.
よってこの最大値が最小となるのは,点 が の内心のときとなり,このときの は
となる.
そして の値がこの最小値より大きい値をすべてとり得ることは, を の二等分線上にとり, から離れるように連続的に動かせることからわかる.
よって求める範囲は となる.