[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1981年(昭和55年)東京大学-数学(理科)[3]

2023.08.22記

[3] 放物線 y=x^2C で表す.C 上の点 \mbox{Q} を通り,\mbox{Q} における C の接線に垂直な直線を,\mbox{Q} における C の法線という.0\leqq t \leqq 1とし,つぎの3条件をみたす点 \mbox{P} を考える.

(イ) C 上の点\mbox{Q}(t,t^2)における C の法線の上にある.

(ロ) 領域 y\geqq x^2 に含まれる.

(ハ) \mbox{P}\mbox{Q} の距離は (t-t^2)\sqrt{1+4t^2} である.

t0 から 1 まで変化するとき,\mbox{P} のえがく曲線を C' とする.このとき,CC'とで囲まれた部分の面積を求めよ.

2023.08.22記

[解答]
\mbox{Q} における法線の方向ベクトルとして,(ロ)の条件を満たすために接線の方向ベクトル \begin{pmatrix}  1 \\  2t\end{pmatrix} を 90度回転した \begin{pmatrix}  -2t \\  1\end{pmatrix} を利用する.

\mbox{P}(X,Y) とおくと
\overrightarrow{\mbox{OP}}=\begin{pmatrix}  t \\ t^2 \end{pmatrix}+(t-t^2)\sqrt{1+4t^2}\cdot \dfrac{1}{\sqrt{1+4t^2}}\begin{pmatrix}  -2t \\  1\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}  2t^3-2t^2+t \\ t \end{pmatrix}
となり,この座標は条件(イ)(ロ)(ハ)を確かに満たしている.

求める面積は,\dfrac{2}{3}-\displaystyle\int_0^1 ( 2y^3-2y^2+y )dy=\dfrac{1}{3}