[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1981年(昭和55年)東京大学-数学(理科)

2023.08.22記

[1] \textsf{S}=\{1,\,2,\,\cdots\cdots,\,n\},ただし n\geqq2,とする.2 つの要素から成る \textsf{S} の部分集合を k 個とり出し,そのうちのどの2つも交わりが空集合であるようにする方法は何通りあるか.

つぎに,この数(つまり何通りあるかを表す数)を f(n,k) で表したとき,f(n,k)=f(n,1) をみたすような nk(ただし,k\geqq2)をすべて求めよ.

[2] 半径 1 の円に内接する正 6 角形の頂点を \mbox{A}_1\mbox{A}_2,……,\mbox{A}_6 とする.これらから,任意に(無作為に)えらんだ 3 点を頂点とする 3 角形の面積の期待値(平均値)を求めよ.ただし,2 つ以上が一致するような 3 点がえらばれたときは,三角形の面積は 0 と考える.

[3] 放物線 y=x^2C で表す.C 上の点 \mbox{Q} を通り,\mbox{Q} における C の接線に垂直な直線を,\mbox{Q} における C の法線という.0\leqq t \leqq 1とし,つぎの3条件をみたす点 \mbox{P} を考える.

(イ) C 上の点\mbox{Q}(t,t^2)における C の法線の上にある.

(ロ) 領域 y\geqq x^2 に含まれる.

(ハ) \mbox{P}\mbox{Q} の距離は (t-t^2)\sqrt{1+4t^2} である.

t0 から 1 まで変化するとき,\mbox{P} のえがく曲線を C' とする.このとき,CC'とで囲まれた部分の面積を求めよ.

[4] 実数 \alpha \displaystyle \left( \mbox{ただし} 0 \leqq \alpha \lt  \dfrac{\pi}{2} \right) と,空間の点 \mbox{A}(1,1,0)\mbox{B}(1,-1,0)\mbox{C}(0,0,0) を与えて,つぎの4条件をみたす点 \mbox{P}(x,y,z) を考える.

(イ) z>0

(ロ) 2\mbox{P}\mbox{A} を通る直線と,\mbox{A} を通り z 軸と平行な直線のつくる角は\dfrac{\pi}{4}

(ハ) 2\mbox{P}\mbox{B}を通る直線と,\mbox{B}を通り z 軸と平行な直線のつくる角は\dfrac{\pi}{4}

(ニ) 2\mbox{P}\mbox{C} を通る直線と,\mbox{C} を通り z 軸と平行な直線のつくる角は \alpha

このような点 \mbox{P} の個数を求めよ.また,\mbox{P} が1個以上存在するとき,それぞれの場合について,z の値を,\alpha を用いて表せ.

[5] n\geqq3 とし,正 n 角錐(すい)の表面を,底面に含まれないn個の辺で切り開いて得られる展開図を考える.正 n 角錐の頂点は,展開図においては,異なる n 個の点になっている.ここでは,これら n 個の点を通る円の半径が 1 であるような,正 n 角錐のみを考えることにする.

(1) 各 n に対して,このような正 n 角錐の体積の最大値 v_n を求めよ.

(2) \displaystyle\lim_{n\to\infty}v_n を求めよ.

注:図は,n=5 の場合の,正 n 角錐とその展開図の例である.

[6] abcd を実数の定数として,関数 f(x)=ax^3+bx^2+cx+d を考える.

(1) 関数 f(x)3 条件

(イ) f(-1)=0

(ロ) f(1)=0

(ハ) |x|\leqq 1 のとき f(x)\geqq 1-|x|

をみたすのは,定数 abcd がどのような条件をみたすときか.

(2) 条件(イ),(ロ),(ハ)をみたす関数 f(x) のうちで,積分 \displaystyle\int_{-1}^{1} { \{ f'(x)-x \} }^2 \,dx の値を最小にするものを求めよ.

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