[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1981年(昭和55年)東京大学-数学(理科)[5]

2023.08.22記

[5] n\geqq3 とし,正 n 角錐(すい)の表面を,底面に含まれないn個の辺で切り開いて得られる展開図を考える.正 n 角錐の頂点は,展開図においては,異なる n 個の点になっている.ここでは,これら n 個の点を通る円の半径が 1 であるような,正 n 角錐のみを考えることにする.

(1) 各 n に対して,このような正 n 角錐の体積の最大値 v_n を求めよ.

(2) \displaystyle\lim_{n\to\infty}v_n を求めよ.

注:図は,n=5 の場合の,正 n 角錐とその展開図の例である.

2020.11.25記

[解答]
展開図の外接円の中心は底面の外接円の中心と一致し,この中心から底面の5角形の各辺への距離を x とすると,錐の高さは\sqrt{(1-x)^2-x^2}=\sqrt{1-2x}である.

底面積は nx^2\tan\dfrac{\pi}{n} だから体積は\dfrac{n}{3}\tan\dfrac{\pi}{n}\sqrt{x^4(1-2x)} となる.

この最大値は相加相乗などから x=\dfrac{2}{5} のとき最大値 v_n=\dfrac{4n}{75\sqrt{5}}\tan\dfrac{\pi}{n} となる.

そしてこの極限は\dfrac{4\pi}{75\sqrt{5}} である.