[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1983年(昭和58年)東京大学-数学(理科)[2]

2023.08.23記

[2] 数列 \{a_n\} において,a_1=1 であり,n\geqq 2 に対して a_n は,次の条件(1),(2)をみたす自然数のうち最小のものであるという.

(1) a_n は,a_1,……,a_{n-1} のどの項とも異なる.

(2) a_1,……,a_{n-1} のうちから重複なくどのように項を取り出しても,それらの和が a_n に等しくなることはない.

このとき,a_nn で表し,その理由を述べよ.

2020.11.24記

[解答]
2進法で書いてみると
a_1=1 より a_2=10 だから,この2つからできる数は 1,10,11 だから a_3=100 となる.
a_1=1,a_2=10,a_3=100 からできる7つの数は 1〜111 だから a_4=1000 となる.
a_1〜a_4 からできる15個の数は 1〜1111 だから a_5=10000 となる.

帰納的に考えることにより a_n=2^{n-1} となる.

2023.08.23記

[別解]
問題文から a_1〜a_{n-1} は全て自然数であり,
a_1〜a_{n-1} のうち少なくとも1つ選ぶ組み合わせでできる和の種類が全部で 2^{n-1}-1 種類で全て異なるから a_n\geqq 2^{n-1} でなければならず,もし a_n=2^{n-1} とできればそれが答えとなるが,a_n=2^{n-1} は条件を確かに満たしているので,これが答となる.