[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1992年(平成4年)東京大学前期-数学(理科)[5]

2024.01.07記

[5] xy 平面において,曲線y=\dfrac{x^3}{6}+\dfrac{1}{2x} 上の点,\left(1,\dfrac{2}{3}\right) を出発し,この曲線上を進む点 \mbox{P} がある.出発してから t 秒後の \mbox{P} の速度 \vec{v} の大きさは\dfrac{t}{2} に等しく,\vec{v}x 成分はつねに正または 0 であるとする.

(1) 出発してから t 秒後の \mbox{P} の位置を (x,y) として,xt の間の関係式を求めよ.

(2) \vec{v} がベクトル (8,15) と平行になるのは出発してから何秒後か.

2024.01.07記

[解答]
(1) 曲線の x=1 から x=XX\geqq 1) までの道程は
\displaystyle\int_1^X \sqrt{1+\left(\dfrac{x^2}{2}-\dfrac{1}{2x^2}\right)^2}\,dx=\displaystyle\int_1^X \left(\dfrac{x^2}{2}+\dfrac{1}{2x^2}\right)\,dx=\left[\dfrac{x^3}{6}-\dfrac{1}{2x}\right]_1^X=\dfrac{X^3}{6}-\dfrac{1}{2X}+\dfrac{1}{3}
である.また出発してから t 秒後の道程は
\displaystyle\int_0^t \dfrac{t}{2}\, dt=\dfrac{t^2}{4}
であるから,xt の関係式は
t=\sqrt{\dfrac{2x^3}{3}-\dfrac{2}{x}+\dfrac{4}{3}}
となる.

(2) y'=\dfrac{x^2}{2}-\dfrac{1}{2x^2}x\geqq 1) は単調増加である(∵ x^2-\dfrac{1}{x^2} が単調増加).よって x\geqq 1y'=\dfrac{15}{8} となる x は高々一つであり, x=2 が条件をみたすので,x=2 である.よって
t=\sqrt{\dfrac{16}{3}-1+\dfrac{4}{3}}=\sqrt{\dfrac{17}{3}}=\dfrac{\sqrt{51}}{3}
となる.