[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1992年(平成4年)東京大学前期-数学(理科)[4]

2024.01.07記

[4] xyz 空間において,x 軸の平行な柱面
A= \{ (x,y,z)\,|\, y^2+z^2=1xyz は実数\}
から,y 軸と平行な柱面
B = \{ (x,y,z)\,|\, x^2-\sqrt{3}xz+z^2=\dfrac{1}{4}xyz は実数\}
により囲まれる部分を切り抜いた残りの図形を C とする.図形 C の展開図をえがけ.ただし点 (0,1,0) を通り x 軸と平行な直線に沿って C を切り開くものとする.

2020.09.26記
AB の交わりは,定数項を消去して
4x^2-4\sqrt{3}xz+3z^2-y^2=0
から,y=\pm(2x-\sqrt{3}z) となり,2平面上にあることがわかります.
よって,円柱面y^2+z^2=1を2平面で切った切り口について考えれば良いことになりますが、
円柱を(軸に垂直でない)平面で切った切り口にサインカーブが登場することは現在では常識です.

[解答]

円柱面 A の展開図の座標を (\theta,t) とおくと,その3次元座標は (t,\cos\theta,\sin\theta) となる.これが B の外側(境界を含む)にある条件は
 t^2-\sqrt{3}t\sin\theta+\sin^2\theta\geqq\dfrac{1}{4}

頑張って計算すると
 \Bigl\{t-\sin\Bigl(\theta+\dfrac{\pi}{6}\Bigr)\Bigr\}\Bigl\{t-\sin\Bigl(\theta-\dfrac{\pi}{6}\Bigr)\Bigr\}\geqq 0
となるので,これを図示すると次のようになる.