[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2004年(平成16年)東京大学前期-数学(文科)[3]

2024.02.18記

[3] 関数 f(x)g(x)h(x) を次で定める.
f(x)=x^3-3x
g(x)=\{ f(x) \}^3-3f(x)
h(x)=\{ g(x) \}^3-3g(x)
このとき,以下の問いに答えよ.

(1) a を実数とする.f(x)=a を満たす実数 x の個数を求めよ.

(2) g(x)=0 を満たす実数 x の個数を求めよ.

(3) h(x)=0 を満たす実数 x の個数を求めよ.

2021.01.29記
2004年(平成16年)東京大学前期-数学(理科)[4] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR の一部.

[解答]
x\gt 2 なら f(x)\gt 2 で単調増加より,同様に g(x)\gt 2h(x)\gt 2 で単調増加

|x|\leqq 2 ならx=2\cos\thetaとおくと f(x)=2\cos 3\thetag(x)=2\cos 9\thetah(x)=2\cos 27\theta となり,
|f(x)|\leqq 2|g(x)|\leqq 2|h(x)|\leqq 2

特に x=2 なら f(2)=2 より g(2)=g(2)=2x=-2 なら f(-2)=-2 より g(-2)=h(-2)=-2 である.

よって f(x)=a をみたす実数 x の個数は
|a|\gt 2 のときは 1
|a|\lt 2 のときは3
|a|=2 のときは\dfrac{3+1}{2}=2 個(a\lt 2の場合の片端を除いて2つずつ交点が重なる)

g(x)=0 をみたす実数 x の個数は \cos9\theta=0 をみたす 0\leqq \theta\leqq \pi の個数なので 9

h(x)=0 をみたす実数 x の個数は \cos27\theta=0 をみたす 0\leqq \theta\leqq \pi の個数なので 27