[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1995年(平成7年)東京大学後期-数学

2024.01.13記

[1] パスカル三角形の第 n 行の部分和
P_n=\displaystyle\sum_{k=0}^{n} {}_n\mbox{C}_{3k}Q_n=\displaystyle\sum_{k=0}^{n} {}_n\mbox{C}_{3k+1}R_n=\displaystyle\sum_{k=0}^{n} {}_n\mbox{C}_{3k+2}
として数列 \{P_n\}\{Q_n\}\{R_n\} を定義する.ただし,k\gt n のとき {}_n\mbox{C}_{k}=0 とする.

(1) P_{n+1}Q_{n+1}R_{n+1}P_nQ_nR_n の式として表せ.

(2) 一般項 P_nQ_nR_n を求めよ.

(3) P_{12}Q_{12}R_{12} を求めよ.

1 1
1 2 1
1 3 3 1
1 4 6 4 1
1 5 10 10 5 1
1 6 15 20 15 6 1
1 7 21 35 35 21 7 1
1 8 28 56 70 456 28 8 1

[2] 平面上に 2\mbox{P}\mbox{Q} があり,\mbox{P}\mbox{Q} の距離は 1 であるとする.このとき,次の(条件)を満たす三角形 \mbox{ABC} の面積 S の最大値を求めたい.

(条件)三角形 \mbox{ABC} は与えられた平面上にあり,各頂点 \mbox{A}\mbox{B}\mbox{C} から \mbox{P} までの距離または \mbox{Q} までの距離のうち,少なくとも一方は 1 以下である.

(1) \mbox{P} を中心とする半径 1 の円周を \rm E\mbox{Q} を中心とする半径 1 の円周を \rm Fとする.上の(条件)の下で最大面積をもつ三角形の頂点 \mbox{A}\mbox{B}\mbox{C} はそれぞれ \rm E または \rm F の上にあることを示せ.

(2) この二つの頂点 \mbox{A}\mbox{B} は円周 \rm E 上にあるとして,この円の中心 \mbox{P} から弦 \mbox{AB} におろした垂線の長さを p とする.p を固定したとき,(条件)を満たす三角形 \mbox{ABC} の面積 S が最大となるならば,直線 \mbox{AB} と直線 \mbox{PQ} は直交することを示せ.

(3) (条件)を満たす三角形\mbox{ABC}の面積 S の最大値を求めよ.

[3] 1 から 13 まで,それぞれ違った数字が書かれたカードが 1 枚ずつ 13 枚ある.このカードを使って,\mbox{A}\mbox{B}2 人が次のルールでゲームをする.

\circ \mbox{A}\mbox{B} は最初に 2 枚ずつカードを持つ.相手のカードの数字は見えない.

\circ まず,\mbox{A}1 枚のカードを数字が見えるようにして出し,\mbox{B} はそれを見て 1 枚のカードを出す.数字の大きいカードを出した者が 1 点を得る.

\circ 次に,残りのカードを出しあって,数字の大きいカードを出した者が 1 点を得る.

\circ この際,\mbox{A}\mbox{B} はおのおのの得点が最大となるようにカードを出すものとする.

(1) カードが配られた後,\mbox{A} は手持ちのカードのうち,数字の大きいものを最初に出した方が有利か,不利か,あるいはどちらを出しても同じか.

(2) \mbox{A}\mbox{B} に無作為に 2 枚ずつカードを配った場合,\mbox{A} の得る点数の期待値を求めよ.

(3) \mbox{A} はカードの数字の合計が 14 となるような 2 枚のカードを最初に選んで持っているものとする.\mbox{B} は残りのカードから無作為に 2 枚のカードを選んでゲームを行なう.この場合,\mbox{A} ははじめにどのようにカードを選べば \mbox{A} の得る点数の期待値が最大となるか,また最小となるか.それぞれの場合の得点の期待値を求めよ.

1995年(平成7年)東京大学後期-数学[1] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
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