[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1997年(平成9年)東京大学前期-数学(理科)[1]

2024.01.15記

[1] ab を正の数とし,xy 平面の 2\mbox{A}(a,0) および \mbox{B}(0,b) を頂点とする正 3 角形を \mbox{ABC} とする.ただし,\mbox{C} は第1象限の点とする.

(1) 3 角形 \mbox{ABC} が正方形
D=\{(x,y)\,|\,0 \leqq x \leqq 1\mbox{,}\, 0\leqq y\leqq 1\}
に含まれるような (a,b) の範囲を求めよ.

(2) (a,b) が(1)の範囲を動くとき, 3 角形 \mbox{ABC} の面積 S が最大となるような (a,b) を求めよ.また,そのときの S の値を求めよ.

2021.01.11記

[解答]
(1) {\rm C}\Bigl(\dfrac{a+\sqrt{3}b}{2},\dfrac{\sqrt{3}a+b}{2}\Bigr)
であるから,求める条件は
0\leqq a\leqq 1
0\leqq b\leqq 1
0\leqq a+\sqrt{3}b\leqq 2
0\leqq \sqrt{3}a+b\leqq 2
となり,これを図示すれば良い.

(2) {\rm AB}^2=a^2+b^2 が最大となれば良い,つまり(1) の領域の中で原点から一番遠い場所を探せば良く,(1)の領域が凸多角形であることから,その頂点だけを調べればよく、その結果a^2+b^2
(a,b)=(1,2-\sqrt{3}),(\sqrt{3}-1,\sqrt{3}-1),(2-\sqrt{3},1)
のとき最大値 8-4\sqrt{3} をとる.
このとき正三角形の面積は
\dfrac{\sqrt{3}}{4}(a^2+b^2)=2\sqrt{3}-3
となる.