[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2001年(平成13年)東京大学前期-数学(文科)[4]

2024.02.12記

[4] 白石 180 個と黒石 181 個の合わせて 361個の碁(ご)石が横に一列に並んでいる.碁石がどのように並んでいても,次の条件を満たす黒の碁石が少なくとも一つあることを示せ.

その黒の碁石とそれより右にある碁石をすべて除くと,残りは白石と黒石が同数となる.ただし,碁石が一つも残らない場合も同数とみなす.

2021.01.17記
中間値の定理。

[解答]
左から n 番目の碁石より左側にある白い碁石,黒い碁石の数をそれぞれ w_n,b_n とし,d_n=b_n-w_n とおくと d_{n+1}d_n+1 または d_n-1 である.

左端の碁石が黒い碁石のとき,これより右にある碁石を全て取り除くと,碁石が一つも残らないので題意をみたし,右端の碁石が黒い碁石のとき,右端の碁石を取り除くと,双方180個ずつとなりやはり題意をみたす.

よって,両端が白い碁石の場合を考える.このとき,w_2=1,b_2=0 であるから,d_2=-1\lt 0 であり,w_{361}=179,b_{361}=181 だから d_{361}=2\gt 0 となるが,d_n\pm1 ずつ変化するので,中間値の定理から d_n=0 をみたす 2\lt n\lt 361 なる n が存在し,その n に対して
w_n=b_n となるので題意をみたす.