[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2002年(平成14年)東京大学前期-数学(理科)[2]

2024.02.13記

[2] n は正の整数とする.x^{n+1}x^2-x-1 で割った余りを a_nx+b_n とおく.

(1) 数列 a_nb_nn=123,…,は
\left\{\begin{array}{l} a_{n+1}=a_n+b_n \\ b_{n+1}=a_n \end{array}\right.
を満たすことを示せ.

(2) n=123,… に対して,a_nb_n は共に正の整数で,互いに素であることを証明せよ.

2021.01.17記
フィボナッチ数列の隣合う項は互いに素.

[解答]
(1) x^{n+2}x^2-x-1 で割った余りは x(a_nx+b_n)x^2-x-1 で割った余りに等しく,an(x+1)+b_nx=(a_n+b_n)x+a_n であるから,
a_{n+1}=a_n+b_nb_{n+1}=a_n
をみたす.

(2) (1)より,b_{n+2}=b_{n+1}+b_{n}n\geqq 1)が成立する.b_1=b_2=1 より,任意の自然数 n について b_n は整数であり,a_n=b_{n+1} であるから,a_n も整数である.

また,ユークリッドの互除法により,b_{n+2}b_{n+1} の最大公約数は,b_n=b_{n+2}-b_{n+1}b_{n+1} の最大公約数に等しく,これは帰納的に b_2b_1 の最大公約数 1 に等しい.よって b_{n+1}=a_nb_n は互いに素である.