[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2003年(平成15年)東京大学前期-数学(理科)[4]

2024.02.13記

[4] 2次方程式 x^2-4x-1=02 つの実数解のうち大きいものを \alpha,小さいものを \beta とする.n=123,… に対し,s_n=\alpha^n+\beta^n とおく.

(1) s_1s_2s_3 を求めよ.また,n\geqq 3 に対し,s_ns_{n-1}s_{n-2} で表せ.

(2) \beta^3 以下の最大の整数を求めよ.

(3) \alpha^{2003} 以下の最大の整数の 1 の位の数を求めよ.

2021.01.19記
s_0=2 を考えると手間が少し省ける.

[解答]
(1) s_0=\alpha^0+\beta^0=1+1=2 とおくと,
\alpha^{n+2}-4\alpha^{n+1}-\alpha^n=0\beta^{n+2}-4\beta^{n+1}-\beta^n=0 により
s_{n+2}=4s_{n+1}+s_n が成立する.
s_0=\alpha^0+\beta^0=1+1=2s_1=\alpha+\beta=4 だから
s_2=4\times4+2=18,s_3=4\times18+4=76

(2) \beta=2-\sqrt{5} だから -1\lt \beta\lt 0 となり,-1\lt \beta^3\lt 0 だから,\beta^3 以下の最大の整数は -1

(3) 以下、\mod 10s_0\equiv 2s_1\equiv 4s_2\equiv 8s_3\equiv 6s_4\equiv 2s_5\equiv 4 となるが,3項間漸化式なので、連続する2つが同じであれば,以下繰り返し,今は周期4だから s_{2003}\equiv s_3\equiv 6
よって
s_{2003}=\alpha^{2003}+\beta^{2003}=10K+6Kはある整数)
となるが,-1\lt\beta^{2003}\lt 0 だから
10K+6\lt \alpha^{2003}=10K+6-\beta^{2003}\lt 10K+7
が成立するので,\alpha^{2003} 以下の最大の整数は 10K+6の形となり,その1の位は6.

類題
2003年(平成15年)東京大学前期-数学(文科)[3] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR