[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2008年(平成20年)東京大学前期-数学(理科)[4]

2021.02.05記

1974年理科[2]は L\geqq 1 の場合のみの出題だった.

[解答]

(1) {\rm P}(p,p^2){\rm Q}(q,q^2) とおくと,\rm PQ の中点 \rm M{\rm M}\Bigl(\dfrac{p+q}{2},\dfrac{p^2+q^2}{2}\Bigr) となる.

{\rm PQ} の傾きは m=p+q であるから,h=\dfrac{p^2+q^2}{2}=\dfrac{m^2}{2}-pq であり,L^2=(1+m^2)(q-p)^2=(1+m^2)(m^2-4pq)=(1+m^2)(4h-m^2)

よって,h=\dfrac{m^2}{4}+\dfrac{L^2}{4(m^2+1)}

(2) M=4(m^2+1)\geqq 4 とおくと,
h=\dfrac{1}{16}\Bigl(M+\dfrac{16L^2}{M}\Bigr)-\dfrac{1}{4} であるから,y=x+\dfrac{k}{x} のグラフより,

(i) (0\lt) L\lt 1 のとき,極小値が変域外なので端点 M=4 で最小値  \dfrac{L^2}{4} をとる.

(ii)  1\leqq L のとき,極小値が変域内なので最小値は M=4L で最小値  \dfrac{2L-1}{4} をとる.

L を固定したときの \rm M の軌跡は,X=\dfrac{m}{2} とおくと,{\rm M}\Bigl(X,X^2+\dfrac{L^2}{4(4X^2+1)}\Bigr) となる.

X\approx 0 のとき,
Y=X^2+\dfrac{L^2}{4(4X^2+1)}
\approx X^2+\dfrac{L^2}{4}(1-4X^2)=\dfrac{L^2}{4}+(1-L^2)X^2
となることからも,L=1 を境に状況が変わることがわかるだろう.