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東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1991年(平成3年)東京大学前期-数学(理科)

2024.01.04記

[1] 平面上に正四面体が置いてある.平面と接している面の 3 辺のひとつを任意に選び,これを軸として正四面体をたおす.n 回の操作の後に,最初に平面と接していた面が再び平面と接する確率を求めよ.

[2] abc を正の実数とする.xyz 空間において,|x|\leqq a|y|\leqq bz=c をみたす点 (x,y,z) からなる板 R を考える.点光源 \mbox{P} が平面 z=c+1 上の楕円 \dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1z=c+1 の上を一周するとき,光が板 R にさえぎられて xy 平面上にできる影の通過する部分の図をえがき,その面積を求めよ.

[3] 定数 p に対して,3次方程式 x^3-3x-p=0 の実数解の中で最大のものと最小のものとの積を f(p) とする.ただし,実数解がただひとつのときには,その2乗を f(p) とする.

(1) p がすべての実数を動くとき,f(p) の最小値を求めよ.

(2) p の関数 f(p) のグラフの概形をえがけ.

[4] (1) 自然数 n=123,… に対して,ある多項式 p_n(x)q_n(x) が存在して,
\sin n\theta=p_n(\tan\theta)\cos^n\theta\cos n\theta=q_n(\tan\theta)\cos^n\theta
と書けることを示せ.

(2) このとき,n\gt 1 ならば次の等式が成立することを証明せよ.
p_n'(x)=nq_{n-1}(x), \quad q_n'(x)=-np_{n-1}(x)

[5] xy 平面上,x 座標,y 座標がともに整数であるような点(m,n) を格子点とよぶ.
各格子点を中心として半径 r の円がえがかれており,傾き \dfrac{2}{5} の任意の直線はこれらの円のどれかと共有点をもつという.このような性質をもつ実数 r の最小値を求めよ.

[6] f(x)x\gt 0 で定義された連続な関数で,0\lt x_1\lt x_2 ならば,つねに f(x_1)\gt f(x_2)\gt 0 であるものとし,S(x)=\displaystyle\int_{x}^{2x} f(t)\,dtとおく.このとき,S(1)=1 であり,さらに任意の a\gt 0 に対して,原点と点 (a,f(a)),原点と点 (2a,f(2a)) を結ぶ 2 直線と曲線 y=f(x) とで囲まれる部分の面積は 3S(a) に等しいものとする.

(1) S(x)f(x)-2f(2x) をそれぞれ x の関数として表せ.

(2) x\gt 0 に対して,a(x)=\displaystyle\lim_{n\to\infty}2^nf(2^nx) とおく.
積分 \displaystyle\int_{x}^{2x} a(t)\,dt の値を求めよ.

(3) 関数 f(x) を決定せよ.

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