[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1997年(平成9年)京都大学前期-数学(理系)[2]

[2] nが相異なる素数p,qの積,n=pq,であるとき,(n-1)個の数 {}_n\mbox{C}_k(1\leqq k\leqq n-1) の最大公約数は1であることを示せ。

2019.04.15記

二項係数が素数 p で割り切れない条件 - 球面倶楽部 零八式 mark II
を用いる。

{}_n\mbox{C}_1=n=pqである。また、p進数の割り算においてr+(pq-r)に繰り上がりが起きないrとしてr=pを選ぶことができるので、{}_n\mbox{C}_ppの倍数ではない。同様に{}_n\mbox{C}_qqの倍数ではない。よって求める最大公約数は1となる。

npで割り切れるが、np^2では割り切れないので、np 進数表示の下2桁は r0(ただしr\geq 1)のようになる。よって、p+(n-p) の計算には繰り上がりは生じない。

2020.04.13記
補足しておくと、pp進数表示は 10 で、n-pp 進数表示の下2桁は (r-1)0(ただしr-1\geq 0)となるので、p+(n-p) の計算は、下2桁の 10+(r-1)0=r0 で完結し、繰り上がりは生じない。