2020.04.20記
2020.04.20記
(1) であるが,分子分母とも偶数であり,分子は2を1つしか因数にもたない.
よって,分母を正にとるので , となる.
(2) の分子 は(1)により奇数であり,分母は , により, で偶数であるから, は のとき整数にならない.
また , は整数であるから, が整数となるのは のみである.
文系に誘導付きの出題があるが、その誘導は上の解とは違って、 が 以降単調減少となり、 から まで調べれば十分という誘導である。その解答は
2018年(平成30年)東京大学-数学(理科)[2] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
を参照のこと。
もし誘導がなければどう解くかであるが、
二項係数は2で何回割れるか - 球面倶楽部 零八式 mark II
の考え方を利用する。
もちろん、 が3以上の素数の場合は、
二項係数が素数 p で割り切れない条件 - 球面倶楽部 零八式 mark II
を利用すると、
は をn 進数の足し算で表現すると となり、くりあがりが生じないので、 は素数 で割り切れない。よって を既約分数で表現したとき、分母に素数 が1つ残るので整数にはならない。というように が整数にはならないことがわかるが、 が合成数のときに が整数になるかどうかはわからないので、(1)で既約分数にするときに素因数2に着目したように、2で何回割れるかについて着目することにする。
(2) が 2 で割りきれる回数を とし, が 2 で割りきれる回数を とすると
,,
が成立し,
により
が成立する.
ここで の分子が2で割れる回数は
であり,分母が2で割れる回数は
であるから, が整数であるためには2の因数の個数に着目すると
が必要である.
(i) が偶数のとき:
, であるから が成立する.よって となるので が成立する.
よって が必要であり, より十分.
(ii) が奇数のとき:
, であるから が成立する.よって となり,から となるので, が成立する.さらに だから を4で割った余りは2となるので を4で割った余りは1となる.よって が必要であり, より十分.
以上から
この解答からわかると思うが, の変形が肝になっているので素因数2の個数に着目するべきであることがわかる.
ちなみに
が成立する.