[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2023年(令和5年)早稲田大学理工学部-数学[3]

2023.12.20記

[3] 実数 x に対して関数 f(x)f(x)=e^{x-2} で定め,正の実数 x に対して関数 g(x)g(x)=\log x+2 で定める.また, y=f(x),y=g(x) のグラフをそれぞれ, C_1,C_2 とする.以下の問に答えよ.

(1) f(x)g(x) がそれぞれ互いの逆関数であることを示せ.

(2) 直線 y=xC_12 点で交わることを示せ.ただし,必要なら 2\lt e\lt 3 を証明しないで用いてよい.

(3) 直線 y=xC_1 との 2 つの交点の x 座標を, \alpha,\beta とする.ただし \alpha\lt\beta とする.直線 y=x と,C_1,C_2 をすべて同じ xy 平面上に図示せよ.

(4) C_1C_2 で囲まれる図形の面積を(3)の \alpha\beta多項式で表せ.

2023.12.20記

[解答]
(1) y=f(x)=e^{x-2}x\in\mathbb{R},y\gt 0])

\log y=x-2x\in\mathbb{R},y\gt 0])
と同値であり,
x=\log y+2=g(y)y\gt 0,x\in\mathbb{R}])
と同値であるから f,g は互いに逆関数である.

(2) h(x)=f(x)-x とおくと h'(x)=e^{x-2}-1 となるので増減表は

x -\infty \cdots 2 \cdots +\infty
h' - 0 +
h +\infty \searrow -1 \nearrow +\infty

となり,よって直線 y=xC_12 点で交わる.

(3) h(0)=e^{-2}\gt 0h(1)=e^{-1}-1\lt 0h(3)=e-3\lt 0h(4)=e^2-4\gt 0 により
0\lt\alpha\lt 13\lt\beta\lt 4 である.C_1 は下に凸,C_2 は上に凸であり,これらの2交点は y=x 上にある.

これらに注意して図示すれば良い(図示略).

(4) 求める面積を S とすると
S=\displaystyle\int_\alpha^\beta 2(x-e^{x-2})dx=\beta^2-\alpha^2-2(e^{\beta-2}-e^{\alpha-2})=\beta^2-\alpha^2-2(\beta-\alpha)=(\beta-\alpha)(\alpha+\beta-2)