[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2022年(令和4年)京都大学-数学(理系)[6]

2022.02.27記

[6] 数列 \{x_n\}\{y_n\} を次の式

x_1=0x_{n+1}=x_n+n+2\cos\left(\dfrac{2\pi x_n}{3}\right)n=1,2,3,\cdots)],
y_{3m+1}=3my_{3m+2}=3m+2y_{3m+3}=3m+4m=0,2,3,\cdots)]
により定める.このとき,数列\{x_n-y_n\} の一般項を求めよ.


2022.02.27記
\cos\left(\dfrac{2\pi x_n}{3}\right) の中にある x_n が邪魔なので,とりあえず \mbox{mod}\,3 を意識して数列を順番に求めていこう.
わざわざ x_n-y_n を計算させるのは,y_n によって\cos\left(\dfrac{2\pi x_n}{3}\right) のずれを吸収させるのではないかと考えていこう.

[解答]

x_n3 で割った余りを r_n とおき,3項ずつ組にすると,
r_1=0r_2=0r_3=1
r_4=0r_5=0r_6=1
となるので,x_n3 で割った余りは周期3で 0,0,1 を繰り返す。

よって
x_{3m+2}=x_{3m+1}+3m+1+2
x_{3m+3}=x_{3m+2}+3m+2+2
x_{3m+4}=x_{3m+3}+3m+3-1
が成立する.ここで z_n=x_n-y_n によって数列 \{z_n\} を定義すると,
y_{3m+2}=y_{3m+1}+2
y_{3m+3}=y_{3m+2}+2
y_{3m+4}=y_{3m+3}-1
であるから,
z_{3m+2}=z_{3m+1}+3m+1
z_{3m+3}=z_{3m+2}+3m+2
z_{3m+4}=z_{3m+3}+3m+3
が成立する.よって任意の自然数 n に対して
z_{n+1}=z_n+n
が成立する.z_1=0 であるから,
z_n=z_0+1+\cdots +(n-1)=\dfrac{n(n-1)}{2}
である.