2022.05.22記
九月実施
[2] ノ割リ切レル塲合と割リ切レヌ塲合ヲ吟味スヘシ
[3] ノ因數ヲ索ムベシ
[4] と トノ最小公倍數ヲ索ムベシ
[5] ト トガ ナル形チノ通因數ヲ有スル為メニ必要ナル要件ヲ見出スベシ
注) 現在の感覚とは異なり2つの「3次式」( )として答えるのが良いだろう
[6] ナル ハ此等ノ式ハ各 ニ等シク且 ナルヿを證セ
注) 出題ミスで という条件が必要である.
[7] ヲ解キテ以テ整式ナラサル方程式ヲ解ク方法ヲ説明セヨ
注) 整式ナラサル方程式とは,例題から有理式だと考えるのが妥当である.
2022.05.24記
当時の出題は脇が甘い.細かいことよりは大筋が理解できれいれば大丈夫だと思われる.
[1] 与式は を因数にもつので値は
[2] のときは割り切れる
のとき:
は
に対して に注意すると,
任意の正の奇数 について割り切れる
は
に対して に注意すると,
任意の自然数 について割り切れない
は
に対して に注意すると,
任意の自然数 について割り切れる
は
に対して に注意すると,
任意の正の偶数 について割り切れる
[3] どの2文字を等しくしても値が0になるので差積で割り切れ,次数と係数を比較して
[4] の因数分解は難しい.当時の書籍の中には
「」
は因数分解できないので最小公倍数は2式の積になる、と間違ったものもあった.
しかし, と因数分解できるのだから,このどちらかを因数にもつのでは?と考えるのが自然. もちろん,ユークリッドの互除法を用いて
と求めても良い.
[5] 問題文は「2つの3次式」と書いていないので、 が かどうかなどで場合分けをしなければならないが,当時はそこまで深く考えておらず、 として問題なかったような気がするので当時の解答としては、
となる.
が の形の共通因数となるには が必要で,このとき
共通解が となるので因数定理から
…(☆)
となる.
のとき,2つの3次式は
と
となるので,共通因数をもつには ,
つまり となるので(☆)はこのときも含む
(このとき2つの3次式は互いに定数倍).
よって, のときの必要十分条件は(☆)となるが,(☆)は とすると となるので左辺は を因数にもつので,展開して で約すると
…(★)
となる(終結式から条件が6次式となるので、7次式の結果は余計なものがあることがわかる).
のとき と が1次式の共通因数をもつには
が必要で,このとき
となるが,これは式(★)で とおいたものを で割ったものだから(★)はこのときも含む
のとき、対称性から
となるが,式(★)で とおいたものを で割ったものだから(★)はこのときも含む
のとき と が1次式の共通因数をもつには
かつ となる
以上から,一方が3次式の場合は
…(★)
両方1次式 のとき かつ
となる.
なお,終結式から
のとき
のとき
のとき
が求める条件である.
( のときは,対称性から省略)
[6] 問題文から は異なる数であることは当然だが, でなければならない.というのも とすると のとき に等しいことを示せという意味不明の問題になるからでである.
なお, のときは、 のとき を示せと自明になるが,これは間違っていないので大丈夫である.
さて,,, とおく.
3次元ベクトルから3次元ベクトルへの写像
は3次元空間を原点を通る2次元平面にうつす.
,
であるから, とおくと
の形をしている.
原点を通る平面上の点で となるのは,その平面が 軸を含まない限り の場合に限るが, のときに限り,その平面が 軸を含んでしまうので が成立しなくなるという訳である.
[6] により
が成立するので,加比の理から,この比は のとき
に等しい.
また, により
となるが, により
が成立する.
[7] 両辺に を掛けると
となり, となる.
一般に,有理式を通分すると分子は整式となるので,整式が0に等しいという方程式に帰着することができる.