[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1922年(大正11年)東京帝國大學理學部物理科-數學[3]

[3] 同一直角坐標軸ヲ用ヰテ方程式y=x-\dfrac{x^2}{2}y=\log(1+x) ニテ表ハサレタル曲線ヲ畫キ且此二ツノ曲線ト x=2 ナル直線ニテ圍マレタル面積ヲ索メヨ.

2022.08.09記
\log(1+x)=x-\dfrac{x^2}{2}+o(x^3) であるから,この2曲線は x=0 で接することがわかる.

[解答]
y=x-\dfrac{x^2}{2}x 切片が 0,2 の上に凸な放物線であり,y=\log(1+x) は対数関数 y=\log xx 軸方向に -1 だけ平行移動したものだから漸近線が x=-1 である.

ここで f(x)=\log(1+x)-\left(x-\dfrac{x^2}{2}\right) とおくと
f'(x)=\dfrac{1}{1+x}-1+x=\dfrac{x^2}{1+x}\gt 0x\gt -1
であり
\log(1+x)=x-\dfrac{x^2}{2}+o(x^3) であるから,この2曲線は x=0 で接することに注意すると,2つのグラフは


のようになる.よって求める面積は
\displaystyle\int_0^2\left\{\log(1+x)-\left(x-\dfrac{x^2}{2}\right)\right\}\,dx=\Bigl[ (1+x)\log(1+x)-(1+x)-\dfrac{x^2}{2}+\dfrac{x^3}{6}\Bigr]_0^2=3\log 3-\dfrac{8}{3}