[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1948年(昭和23年)東京大学農学部-数学[4]

2020.04.03記

[4] 等しい半徑  R を有し軸が互ひに直交する2個の圓壔が共有する部分の體積は何程か.

2020.04.07記

[うまい解答]
2つの円柱の軸に平行な平面による2つの円柱の共有部分の切り口は正方形であり,その正方形に内接する円を考えると,
その円は半径 R の球の切り口となっており,常に断面の正方形の面積は内接する円の面積の \dfrac{4}{\pi} 倍となっているの.よってカバリエリの原理により,求める体積は半径 R の球の体積の \dfrac{4}{\pi} 倍となるので,交差円柱の体積は \dfrac{16}{3}R^3 となる.

筆者がこの解法を始めてみたのは、

だった。この交差円柱の体積については、1906年に発見されたアルキメデスの「方法」の写本に記載されている。序文であるエラトステネスへの文書に交差円柱の体積は、それを含む立方体の体積の \dfrac{2}{3} となると述べられている。しかし、実際にどのように交差円柱の体積を求めたかは、その部分が失なわれているため不明であるが、爪型の体積
1943年(昭和18年)東京帝國大學農學部-數學[4] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
1958年(昭和33年)東京大学-数学(解析II)[2] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
を求める方法と同様でないかと考えられている。

なお、この文書において、錐の体積が柱の \dfrac{1}{3} となることをカバリエリの原理と同等な手法で示したことについて、デモクリトスの貢献を認めている。

の p.100 に円柱交差問題が記載されている。

の p.197 に円柱交差問題が記載されている。

の p.113 に円柱交差問題が記載されている。

の p.106 に円柱交差問題が記載されている。