[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1951年(昭和26年)東京大学-数学(幾何)[3]

[3] 図のような立方体  \rm ABCDA'B'C'D' において辺 \rm AB\rm BB'\rm B'C'\rm C'D'\rm D'D\rm DA の中点をそれぞれ \rm L\rm M\rm N\rm P\rm Q\rm R とするとき,六角形 \rm LMNPQR は正六角形であることを証明せよ。

図略

2020.03.15記
まず、六角形とあるが、6点が同一平面上にあることは自明か?という疑問が生ずる。おそらく六角形とあることから同一平面上にあることを仮定して良いと思われるが、以下では自明でないとして証明する。

[解] 直線 \rm A'B' 上に \rm B'X=\dfrac{1}{2}A'B' なる点 \rm X\rm B' に対して \rm A' の反対側にとる。このとき,\triangle \rm XB'M\triangle LBM は合同な直角2等辺三角形となるので、\rm L\rm M\rm Xは一直線上にあり,同様にして \rm P\rm N\rm Xは一直線上にある。つまり,\rm LM\rm PN\rm Xで交わる。

同様にして,\rm NP\rm RQ は交わり,その交点を \rm Yとし,\rm QR\rm ML は交わり,その交点を \rm Zとする。

このとき,\rm XY\rm YZ\rm ZXの長さは全て \rm LM=NP=QR の3倍で等しい、つまり \rm \triangle XYZ は正三角形である。これを各辺の3等分点で切って得られる六角形 \rm LMNPQR は正六角形である(全ての辺の長さが等しく、隣りあう辺のなす角度は120度となる)。

[別解] 軸 \rm CA' について \rm LM\rm NP に重なるように回転させることができ,\rm A'B'CD について \rm LM を対称移動させると \rm PNに重なるので、\rm LM\rm NP は 軸 \rm CA' に垂直は同一平面上にある。同様に考えると、\rm NP\rm QR も同一平面上にあるので、六角形 \rm LMNPQR は1つの平面上にある。

\rm CA' について六角形 \rm LMNPQR\rm NPQRLM に重なるように回転させる操作を3回行なうと元に戻るので、回転角は120度である。このことから \rm \angle LMN+\angle MNP=240^{\circ}であることがわかる。

また、\rm A'B'CD について \rm LMNPQR を対称移動させても自分自身に重なるので、 \rm \angle LMN=\angle MNP=120^{\circ} であることがわかる。

よって同様にすると,六角形の全ての内角は120度であることがわかる。また、全ての辺の長さは立方体をなす正方形の対角線の長さの半分で等しいので,この六角形は正六角形である。

なお、同一平面上にあることを仮定した場合は、\rm LM\rm AB' が平行で長さの比が 1:2 であることなどと、\rm \triangle AB'D が正三角形であること、立方体の向い合う面が平行であるから六角形の向い合う辺も平行となることから証明をすることもできる。



など、六角形の向い合う辺の中点を結ぶ線対称軸(3本)をもつことから