[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1954年(昭和29年)東京大学-数学(解析II)[1]

[1] 次の函数の最大値と最小値を求めよ. a\cos^2x+2b\cos x\sin x+c\sin^2x

2020.09.24記
\cos^2x=\dfrac{1+\cos2x}{2}\cos x\sin x=\dfrac{\sin2x}{2}\sin^2x=\dfrac{1-\cos2x}{2} を代入して合成すれば良い.
すると\dfrac{a+c}{2}+\dfrac{\sqrt{(a-c)^2+4b^2}}{2}\cos(2x+\beta) の形になり,
最大値が\dfrac{a+c+\sqrt{(a-c)^2+4b^2}}{2}
最小値が\dfrac{a+c-\sqrt{(a-c)^2}+4b^2}{2} であることがわかる.

(大人の解法)
\begin{pmatrix} a& b \\ b& c \end{pmatrix} の最大固有値が最大値、最小固有値が最小値となる.

固有方程式は\lambda^2-(a+c)\lambda +(ac-b^2)=0だから,
最大値が\dfrac{a+c+\sqrt{(a-c)^2+4b^2}}{2}
最小値が\dfrac{a+c-\sqrt{(a-c)^2}+4b^2}{2} となる.