[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1955年(昭和30年)東京大学-数学(解析I)[3]

2022.01.12記

[3] 図のように長方形  \rm ABCD の中にたがいに外接する二円  {\rm O},{\rm O}′ があって,円  \rm O \rm AB \rm BC に接し,円  {\rm O}′ \rm AD \rm DC に接する.
このとき二円の面積の和を円  \rm O の半径  x函数  f(x) と考えてそのグラフをえがきその函数の最大値と最小値を求めよ.
ただし  {\rm AB}=8a,{\rm BC}=9a とする.

注意. f(x) のグラフをえがくのには,右図のような座標軸を答案用紙に写しとって用いよ.

[図が2 つ]

2022.01.12記


[解答]

{\rm O}' の半径を y とし、x+y=t とおくと,中心間距離と半径の和が等しいことから
(8a-x-y)^2+(9a-x-y)^2=(x+y)^2
つまり
(8a-t)^2+(9a-t)^2=t^2
となり,整理して
t^2-34at+145a^2=(t-5a)(t-29a)=0
となる.ここでt\lt 8a から t=5a となる.

円が長方形の内部にあることから,
0\lt 2x, 2y\leqq 8ax+y=5a
となるので,a\leqq x\leqq 4a であり,
円の面積の和 f(x)
f(x)=\pi(x^2+y^2)=2\pi\left\{\left(x-\dfrac{5}{2}a\right)+\dfrac{25}{2}a^2\right\}
となる.

よって f(x) のグラフは次図のようになり

「図略」

その最大値は 17\pi a^2,最小値は\dfrac{25}{2}\pi a^2 となる.