[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1956年(昭和31年)東京大学-数学(一般数学)[1]

[1] 一定量a\%のアルコールがある.今第1回目にはその半分を汲みすててx\%のアルコールでおぎない,第1回目にはこのようにして得られたアルコールの半分を汲みすててy\%のアルコールでおぎなう.
このように半分を汲みすててx\%のアルコールでおぎなうことと,y\%のアルコールでおぎなうことを交互に続けるとする.

(i)このような操作をn回行ったときには何\%のアルコールとなるか.

(ii)この操作を限りなく続けるとき,偶数回目と奇数回目のアルコールの濃さはそれぞれどのようになるか.

2019.02.26記

[解答]
求める濃度をa_n\%とすると、a_{2k+1}=\dfrac{a_{2k}+x}{2},a_{2k}=\dfrac{a_{2k-1}+y}{2}が成立する。
よって a_{2k+2}=\dfrac{a_{2k}+x+2y}{4}a_{2k+1}=\dfrac{a_{2k-1}+2x+y}{4}となる。a_0=a,a_1=\dfrac{a+x}{2}を利用して解くと、
a_{2k}=\dfrac{1}{2^{2k}}\left( a+\dfrac{1}{3}(2^{2k}-1)x+\dfrac{2}{3}(2^{2k}-1)y \right)a_{2k-1}=\dfrac{1}{2^{2k-1}}\left( a+\dfrac{1}{3}(2^{2k}-1)x+\dfrac{2}{3}(2^{2k-2}-1)y \right)
となる。極限をとると偶数回目は\dfrac{x+2y}{3}\%に、奇数回目は\dfrac{2x+y}{3}\%に近づく。