[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1958年(昭和33年)東京大学-数学(一般数学)[3]

2020.10.25記

[3] 右の図のように18個のランプ ${\rm L}_i$ とスイッチ ${\rm S}_i$ が円形においてある．ランプはすべて消えており，スイッチはすべて開いている．一つのスイッチをいれると，それから矢印の方向に三つ目のランプがつくものとする．

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また，一たんランプがつくとそれと同じ番号のスイッチは使用不能になるものとする．しかし，ある番号のスイッチをいれてもそれと同じ番号のランプは依然としてつけることができる（たとえば，スイッチ ${\rm S}_{18}$ をいれるとランプ ${\rm L}_{3}$ がつく．そして，スイッチ ${\rm S}_{3}$ は使用不能となり，ランプ ${\rm L}_{6}$ はもうつかなくなる．しかし， ${\rm S}_{15}$ をいれればランプ ${\rm L}_{18}$ をつけることができる）．

いま，スイッチ ${\rm S}_{1}$ から始めて，次々にスイッチを入れて，なるべく多くのランプをつけたい．いくつまでつけることができるか．また，どのような順にスイッチをいれればよいか．

2020.10.25記
入れたスイッチと同じ番号のランプがつくようにスイッチを入れていけば良い．

[解答]
mod 3 で考えて，3つのグループに分け，それぞれのグループにおいて，最後に入れたスイッチより番号が3つ若いスイッチをつける，ということを行なえば良い．

最初にスイッチを入れた番号が $18$ の場合，
${\rm L}_3$ が点き ${\rm S}_3$ が壊れる．

次に ${\rm S}_{15}$ のスイッチを入れ，
${\rm L}_{18}$ が点き ${\rm S}_{18}$ が壊れる．

次に ${\rm S}_{12}$ のスイッチを入れ，
${\rm L}_{15}$ が点き ${\rm S}_{15}$ が壊れる．

のように，入れたスイッチが次に壊れるようにすれば良い．

これをくりかえすと，やがて ${\rm L}_6$ を点けるために
${\rm S}_3$ のスイッチを入れようとするが，このスイッチは既に壊れているので， ${\rm L}_6$ を点けることができない．

つまり，この数珠つなぎで，最初に壊れたスイッチを入れることによって点灯するランプだけを点けることができない．

同じように考え，各グループで最初に入れたスイッチより番号が3つ大きい（mod 3 で考える）番号をもつスイッチが壊れるため、最初に入れたスイッチより番号が6つ大きい（mod 3 で考える）ランプだけ点けることができないことがわかる．

よって，グループの数の3つのランプだけ点けることができず，それ以外のランプを点けることができるので，最大15個のランプを点けることができる．