[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1959年(昭和34年)東京大学-数学【数学I幾何】(新課程)[2]

2024.02.24記

[2] \triangle\mbox{ABC} の内部に \triangle\mbox{A}'\mbox{B}'\mbox{C}' をとり,その三辺 \mbox{A}'\mbox{B}'\mbox{B}'\mbox{C}'\mbox{C}'\mbox{A}' はそれぞれ
\triangle\mbox{ABC} の三辺 \mbox{AB}\mbox{BC}\mbox{CA} に平行で,対応する辺の間の距離はいずれも h であるとする.\triangle\mbox{A}'\mbox{B}'\mbox{C}' の周が \triangle\mbox{ABC} の周の \dfrac{1}{2} であるとき,habc で表わせ.ただし a=\mbox{BC}b=\mbox{CA}c=\mbox{AB} とする.

2019.04.03記

[解答]
\triangle\rm ABC\triangle\rm A'B'C' は相似であり周の長さが半分となることから相似比は 2:1 となる.問題文のような位置関係のとき,相似の中心は内心となるので h\triangle\rm  ABC の内接円の半径 r の半分に等しい.\triangle ABCの面積をSとするとr=\dfrac{2S}{a+b+c}であるから,ヘロンの公式により
h=\dfrac{r}{2}=\dfrac{S}{a+b+c}=\dfrac{1}{4}\sqrt{\dfrac{(a+b-c)(b+c-a)(c+a-b)}{a+b+c}}
となる.