[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1961年(昭和36年)東京大学-数学(理科)[5]

2020.11.23記

[5] t がすべての実数の範囲をうごくとき x=t^2+1y =t^2+t−2 を座標とする点 (x,y) は一つの曲線をえがく.この曲線と x 軸とによってかこまれる部分の面積を求めよ.

2020.11.23記
普通にパラメータ積分
\displaystyle\int_{-2}^1 y \dfrac{dy}{dt}dt
とやっても良いし,y=-x+3\pm\sqrt{x-1} として真面目に積分
\displaystyle\int_1^5(-x+3+\sqrt{x-1})dx-\int_1^2(-x+3-\sqrt{x-1})dx
を計算しても良い.

ここではちょっとテクニカルにやっておく.

[うまい解答]
一次変換X=x,Y=y-x によって面積は変化しない(行列式の絶対値が1,またはカバリエリの原理).

このとき,X=t^2+1,Y=t-3 だから曲線は X=(Y+3)^2+1 という放物線にうつる
(だからもとの曲線も放物線).

このとき,x軸は X+Y=0 にうつるので,この放物線と直線で囲まれる部分の面積を求めれば良い.
交点の Y 座標は -5,-2 だから \dfrac{1}{6} 公式により,求める面積は \dfrac{1}{6}\cdot 3^3=\dfrac{9}{2}