[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1961年(昭和36年)東京大学-数学(理科)[6]

2020.11.23記

[6] abc は定数であって,函数 f(x)=a \sin x+b \cos x+c \sin 2xx=\dfrac{\pi}{4} において極大値 6\sqrt{2} をとり,また \displaystyle\int_0^{2\pi} f(x)\cos x dx=5π である.このとき

(i)  a,b,c を求めよ.

(ii) 0\lt x\lt 2π の範囲で f(x) を最小にする x の値とそのときの f(x) の値とを求めよ.

本問のテーマ

2020.11.23記

[大人の解答]
(i)(ii) フーリエ級数展開を考えると
\displaystyle\int_0^{2\pi} \cos x \cos x dx=\pi 以外は全部 0 になるので b=5
となる.また
f\Bigl(\dfrac{\pi}{4}\Bigr)=6\sqrt{2}f'\Bigl(\dfrac{\pi}{4}\Bigr)=0 より a=b,a+b+\sqrt{c}=12
だから, a=b=5,c=\sqrt{2} となる.

f'(x)=0 から x=\dfrac{\pi}{4},\dfrac{5\pi}{4} で増減表を書くと
x=\dfrac{\pi}{4} のときに確かに極大となっており,また最小値は x=\dfrac{5\pi}{4} のときの -4\sqrt{2} となる.