[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1967年(昭和42年)東京大学-数学(理科)[3]

2020.09.29記

[3] 南北の方向に水平でまっすぐな道路上を,自動車が南から北へ時速100 kmで走っている.また飛行機が一定の高度で一直線上を時速 \sqrt{7}\times 100kmで飛んでいる.自動車から飛行機を見たところ,ある時刻にちょうど西の方向に仰角30度に見えて,それから36秒後には北から30度西の方向に仰角30度に見えた.飛行機の高度は何m であるか.

2022.05.02記

[解答]
仰角が同じであることは,水平距離も等しいということである.

ある時刻の車の位置を (0,0)とし,北が y 軸正の向きとなるようにとる.36秒後の車は1km 進むのでその位置を (0,1) とする.

ある時刻の飛行機の位置を地面に正射影した場所を (-x,0) とすると 36秒後の位置は \left(-x\sin30^{\circ},1+x\cos30^{\circ}\right)=\left(-\dfrac{x}{2},1+\dfrac{\sqrt{3}x}{2}\right) となり,この間に \sqrt{7}km 進んだので
7=\left(1+\dfrac{\sqrt{3}x}{2}\right)^2+\dfrac{x^2}{4}
つまり x^2+\sqrt{3}x+6=0 となる.x\gt 0 より x=\sqrt{3} となる.

仰角30度より,求める高度は \sqrt{3}\tan 30^{\circ}=1km