[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1967年(昭和42年)東京大学-数学(理科)[6](旧課程)

2022.05.03記

[6](旧課程) 点 {\rm A}_0 を一端とする半直線 l 上に点 {\rm A}_1{\rm A}_2 が与えられていて,\overline{{\rm A}_0{\rm A}_1} =1\overline{{\rm A}_0{\rm A}_2} =8 であるとする.いまこれから,点 {\rm A}_nn=3,4,5,\cdots\cdots)を次の手順で定める.

(1) {\rm A}_{n-2}{\rm A}_{n-1} のうち {\rm A}_0 に近い方を  \rm X,遠い方を \rm Y とする.線分 {\rm A}_0{\rm Y} を直径とする半円と,\rm X における l の垂線との交点をとってこれを \rm Z とする.

(2) つぎに,{\rm A}_0 を中心とする半径 \overline{{\rm A}_0{\rm Z}} の円と,半直線 l との交点をとってこれを {\rm A}_n とする.

このとき,点 {\rm A}_n はある定点 {\rm A} に限りなく近づく.線分 {\rm A}_0{\rm A} の長さを求めよ.

2022.05.03記

[解答]
\overline{{\rm A}_0{\rm A}_1}=a_n とおくと a_n^2=a_{n-1}a_{n-2}(n=3,4,\cdots)が成立するので
\log_2 a_n =b_nとおくと
b_1=0b_2=32b_n=b_{n-1}+b_{n-2}(n=3,4,\cdots)
が成立する.

よって
b_n-b_{n-1}=-\dfrac{1}{2}(b_{n-1}-b_{n-2})=\left(-\dfrac{1}{2}\right)^{n-2}(b_2-b_1)=3\left(-\dfrac{1}{2}\right)^{n-2}
となる.よって
b_n=b_1+3\cdot\dfrac{1-(-1/2)^{n-1}}{1+1/2}=6\cdot\dfrac{1-(-1/2)^{n-1}}{3}
となるので,b_n\to 2(n\to\infty)となり,a_n\to 4(n\to\infty)となる.