[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1972年(昭和47年)東京大学-数学(理科)[3]

[3] k を実数の定数,f(x)=x^2(x+8)g(x)=(x^2-1)(x+4) とするとき,x に関する方程式 f(x)-kg(x)=0 の相異なる実根の個数を求めよ.

2021.10.09記

一見,F(x)=f(x)-kg(x) とおき,F(-8)=-756kF(-4)=64F(-1)=7F(0)=4kF(1)=9 として中間値の定理から何とかできそうな気がするが,y=f(x)y=kg(x) が接する条件を考えたりすると面倒になる.
素直に定数分離が良いだろう.

[解答]

g(x)=0 なる x=-4,-1,1 において、f(x)-kg(x)\neq 0 であるから,f(x)-kg(x)=0k=\dfrac{f(x)}{g(x)} は同値である.

よって,y=\dfrac{f(x)}{g(x)} のグラフと y=k(定数関数) のグラフの交点の個数を数えれば良い.
\left(\dfrac{f(x)}{g(x)}\right)'=\dfrac{f'(x)g(x)-f(x)g'(x)}{\{g(x)\}^2}=\dfrac{-2x(x+2)\left\{2\left(x-\dfrac{3}{4}\right)^2+\dfrac{119}{8}\right\}}{(x+4)^2(x+1)^2(x-1)^2}
より増減表は

x -\infty -4 -2 -1 0 1 \infty
\left(\dfrac{f(x)}{g(x)}\right)' (0) - - 0 + + 0 - - (0)
\dfrac{f(x)}{g(x)} (1) \searrow -\infty /+\infty \searrow 4 \nearrow +\infty /-\infty \nearrow 0 \searrow -\infty /+\infty \searrow (1)

となるので,

k\lt 0のとき3個,
k=0のとき2個,
0\lt k\gt 1のとき1個,
k=1のとき0個,
1\lt k\gt 4のとき1個,
k=4のとき2個,
4\lt kのとき3個,

となる.