[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1981年(昭和56年)東京大学-数学(文科)[2]

2023.08.22記

[2] \mbox{A}100 円硬貨を 4 枚,\mbox{B}50 円硬貨を 3 枚投げ,硬貨の表が出た枚数の多い方を勝ちとし,同じ枚数のときは引き分けとする.硬貨の表,裏の出る確率はすべて\dfrac{1}{2}であるものとする.

(1) \mbox{A} の勝つ確率,\mbox{B} の勝つ確率,引き分けの確率を求めよ.

(2) もし,勝った方が相手の投げた硬貨を全部もらえるとしたら,\mbox{A}\mbox{B} とどちらが有利か.

2020.11.26記
一枚差なら多い方が勝つ確率が \dfrac{1}{2} となることが知られている.

[解答]
A,B が3枚ずつ投げて,そのあと最後にAがもう一枚投げることにする.

A,B が3枚ずつ投げたときに A が勝つ確率を p とすると,Bが勝つ確率も p であり,引き分けの確率も p である.よって A が勝つ確率は
p\cdot 1+(1-2p)\cdot \dfrac{1}{2}=\dfrac{1}{2} である.

引き分けの確率は\dfrac{1\cdot 1+3\cdot 4 + 3\cdot 6+1\cdot 4}{128}=\dfrac{35}{128}

B が勝つ確率は残り \dfrac{29}{128}

(2) A の収支の期待値は
150\cdot\dfrac{1}{2}-400\cdot\dfrac{29}{128}\lt 0
だから B が有利