[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1982年(昭和57年)東京大学-数学(文科)

2023.08.23記

[1] 平面上に2定点 \mbox{A}\mbox{B}があり,線分 \mbox{AB} の長さ \overline{\mbox{AB}}2(\sqrt{3}+1) である.この平面上を動く3点 \mbox{P}\mbox{Q}\mbox{R} があって,つねに
\overline{\mbox{AP}}=\overline{\mbox{PQ}}=2\overline{\mbox{QR}}=\overline{\mbox{RB}}=\sqrt{2}
なる長さを保ちながら動いている.このとき,点 \mbox{Q} が動きうる範囲を図示し,その面積を求めよ.

[2] xy 平面上の曲線 y=x^2 上の 3 点を,x 座標の小さいものから順に \mbox{A}\mbox{B}\mbox{C} とする.\mbox{A}\mbox{B} との x 座標の差は aa は正の定数),\mbox{B}\mbox{C} との x 座標の差は 1,という関係を保ちながら3点 \mbox{A}\mbox{B}\mbox{C} が動く.

\angle\mbox{CAB} が最大になるときの,点 \mbox{A}x 座標を a で表わせ.また,\angle\mbox{CAB}が最大になるときに,\angle\mbox{ABC} が直角になるような a の値を求めよ.

[3] ab を整数として,x の4次方程式 x^4+ax^2+b=04 つの解を考える.いま,4 つの解の近似値
-3.45-0.610.543.42 がわかっていて,これらの近似値の誤差の絶対値は 0.05 以下であるという.真の解を小数第2位まで正しく求めよ.

[4] A=\begin{pmatrix} \dfrac{1}{2} & -\dfrac{1}{2} \\ 0 & 1  \end{pmatrix}B=\begin{pmatrix} 1 & 0 \\ -\dfrac{1}{2} & \dfrac{1}{2}  \end{pmatrix} とおく.xy 平面において,(1,1) を座標とする点 \mbox{P}_0 から始めて,点列 \mbox{P}_0\mbox{P}_1\mbox{P}_2,…,をつぎのような手続きで作っていく.\mbox{P}_n の座標を(x_n,y_n) とするとき,

(イ) x_n+y_n\geqq\dfrac{1}{100} のときは,(x_{n+1},y_{n+1})\begin{pmatrix} x_{n+1} \\ y_{n+1}\end{pmatrix}=A\begin{pmatrix} x_n \\ y_n\end{pmatrix} または \begin{pmatrix} x_{n+1} \\ y_{n+1}\end{pmatrix}=B\begin{pmatrix} x_n \\ y_n\end{pmatrix} のどちらかが成りたつように決める.

(ロ) x_n+y_n\lt \dfrac{1}{100}のときは,(x_{n+1},y_{n+1})\begin{pmatrix} x_{n+1}\\y_{n+1}\end{pmatrix}=A\begin{pmatrix} x_n\\y_n\end{pmatrix} によって決める.

このようにするといろいろな点列ができるが,それらについてつぎの問に答えよ.

(1) \mbox{P}_2 として可能な点をすべて求め,図示せよ.

(2) x_n+y_nn で表わせ.

(3) \mbox{P}_{10} として可能な点は何個あるか.

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