[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1988年(昭和63年)東京大学-数学(理科)[5]

2023.08.29記

[5] xyz 空間において,xz 平面上の 0\leqq z\leqq 2-x^2で表される図形をz 軸のまわりに回転して得られる不透明な立体を V とする.V の表面上 z 座標1のところにひとつの点光源 \mbox{P} がある.

xy 平面上の原点を中心とする円 C の,\mbox{P} からの光が当たっている部分の長さが 2\pi であるとき,C のかげの部分の長さを求めよ.

2021.01.22記

[解答]
{\rm P}(1,0,1) として良く,{\rm P} における 凸図形 V接平面の方程式は z=3-2x だから,xy 平面の光の部分と影の部分の境界はx=\dfrac{3}{2} となる.

C の半径を r とし,光の部分の弧の中心角を 2\theta とすると,0\leqq\theta\leqq\dfrac{\pi}{2} であり,
r\cos\theta=\dfrac{3}{2} かつ r\theta=\pi
をみたす.よって \dfrac{\theta}{\cos\theta}=\dfrac{2\pi}{3} となるが,左辺は 0\leqq\theta\leqq\dfrac{\pi}{2} で単調増加だから,解は存在すれば1つであり,\theta=\dfrac{\pi}{3} は条件をみたす.

よってr=3,\theta=\dfrac{\pi}{3} となり,影の部分の長さは 2\pi r -2\pi = 4\pi