[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1990年(平成2年)東京大学後期-数学

2024.01.04記

[1] xy 平面上の 4\mbox{O}(0,0)\mbox{A}(2,0)\mbox{B}(2,2)\mbox{C}(0,2) を頂点とする正方形を \mbox{Q} とする.このとき,次の条件を満たす xy 平面上の点 \mbox{P} の存在する範囲を図示し,その部分の面積を求めよ.

(条件)点 \mbox{P} を通って,\mbox{Q} の面積 413 に切り分けるような直線を引くことができない.

[2] A=\begin{pmatrix} \dfrac{1}{2} & -\dfrac{\sqrt{3}}{2} \\ \dfrac{\sqrt{3}}{2} & \dfrac{1}{2} \end{pmatrix} とし,\mbox{P}_0xy 平面上の原点とする.i=1,…,6 に対して,a_i を正の実数とし,\begin{pmatrix} x_i \\ y_i \end{pmatrix}=A^i\begin{pmatrix} a_i \\ 0 \end{pmatrix} とおいたとき,点 \mbox{P}_i\overrightarrow{\mbox{P}_{i-1}\mbox{P}_i}=\begin{pmatrix} x_i \\ y_i \end{pmatrix} となるように定める.ただし,このとき \mbox{P}_6=\mbox{P}_0 となっているものとする.\mbox{P}_0\mbox{P}_1,…,\mbox{P}_6 を順に結んで得られる六角形を \mbox{H} とおく.

(1) a_1-a_4=a_5-a_2=a_3-a_6 であることを示せ.

(2) \displaystyle\sum_{i=1}{6} a_i=6a_1-a_4=1 とするとき,\mbox{H} の面積の最大値を求めよ.

(3) \displaystyle\sum_{i=1}{6} a_i=6 とするとき,\mbox{H} の面積の最大値を求めよ.

[3] 長さ 1 の線分をつなげてできる右のような平面上の図形 \mbox{Q}_1\mbox{Q}_2\mbox{Q}_3,… を考える.n=123,… に対し,図形 \mbox{Q}_n の左端の点を \mbox{A}_n,右端の点を \mbox{B}_n,上端の点を \mbox{C}_n とする.

図形\mbox{Q}_1
図形\mbox{Q}_2
図形\mbox{Q}_3
図形\mbox{Q}_4

\mbox{Q}_1 は一辺の長さが 1 の正三角形の周である.\mbox{Q}_2 は図のように,\mbox{Q}_13 つつなげてできる図形である.

\mbox{Q}_n と同じ図形を 3 つ用意し,それらを \mbox{Q}_n(1)\mbox{Q}_n(2)\mbox{Q}_n(3) とする.i=123に対し,\mbox{Q}_n(i) の左端の点を \mbox{A}_n(i),右端の点を \mbox{B}_n(i),上端の点を \mbox{C}_n(i) としたとき,\mbox{Q}_{n+1} は,\mbox{B}_n(1)\mbox{A}_n(2)\mbox{C}_n(2)\mbox{B}_n(3)\mbox{A}_n(3)\mbox{C}_n(1) がそれぞれ同一の点になるようにおいてできる図形である.

\mbox{Q}_nにおいて,\mbox{A}_n から線分の上を通り,一度通った点は二度通らずに \mbox{B}_n まで行く行き方を考える.この行き方のうち,途中 \mbox{C}_n を通らない場合の個数を x_n とし,途中 \mbox{C}_n を通る場合の個数を y_n とする.容易にわかるように,x_1=y_1=1 である.

(1) x_2y_2 を求めよ.

(2) x_{n+1}x_ny_n を用いて表せ.また,y_{n+1}x_ny_n を用いて表わせ.

(3) x_3y_3 を求めよ.

1990年(平成2年)東京大学後期-数学[1] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
1990年(平成2年)東京大学後期-数学[2] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
1990年(平成2年)東京大学後期-数学[3] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR