[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1995年(平成7年)東京大学前期-数学(理科)[3]

2024.01.13記

[3] 二辺の長さが 12 の長方形と一辺の長さが 2 の正方形の2種類のタイルがある.縦 2,横 n の長方形の部屋をこれらのタイルで過不足なく敷きつめることを考える.そのような並べ方の総数を A_n で表す.ただし n は正の整数である.たとえば A_1=1A_2=3A_3=5 である.このとき以下の問いに答えよ.

(1) n\geqq 3 のとき,A_nA_{n-1}A_{n-2} を用いて表せ.

(2) A_nn で表せ.

2024.01.13記

[解答]
(1) 縦 2,横 n の敷きつめにおいて,
(a) 左端が 2\times2 となるのは A_{n-2} 通り,
(b) 左端が 1\times2 が2段となるのは A_{n-2} 通り
(c) 左端が 2\times1 となるのは A_{n-1} 通り
であるから,A_n=A_{n-1}+2A_{n-2} が成立する.

(2) A_n+A_{n-1}=2(A_{n-1}+A_{n-2})=2^{n-2}(A_2+A_1)=2^nn\geqq 2),
A_n-2A_{n-1}=-(A_{n-1}-2A_{n-2})=(-1)^{n-2}(A_2-2A_1)=(-1)^{n-2}=(-1)^nn\geqq 2
であるから,これらから A_{n}を消去して
A_{n-1}=\dfrac{2^n-(-1)^n}{3}n\geqq 2
となる.よって添字を1つずらして
A_{n}=\dfrac{2^{n+1}-(-1)^{n+1}}{3}n\geqq 1
となる.

第3問がこんなに簡単だと恐いよね。