2020.04.12記
2020.04.12記
円周率というからには、まぁ円の周長を評価して解きたい気がする。
もちろん2点を結ぶ曲線長で最短のものは線分であることを利用する。
それが難しい場合は、円の面積を評価したり、 の値が 3.05 より大きいことを証明すれば良いだろう。基本的な考え方は
1. 内接正八角形の周長で評価
(余弦定理で一辺の長さを求めているが、本質的な評価は、弦の長さと弧の長さの比較 である。あたりまえだが。)
2. 原点中心半径5の円周上の有理点を結ぶ折れ線で評価(3,4,5の直角3角形を利用)
3. 内接正24角形の面積で評価
(本質的な評価は、三角形の面積と扇形の面積の比較 である。
1.の方針と同等なものとしては、内接正16角形の面積で評価することも可能である。もちろん、内接12角形の面積ではうまくいかない。)
4.上に凸な の積分を2個の台形の面積で評価
(を利用。)
5. (
)
1934年(昭和9年)東京帝國大學理學部-數學[2] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
に を代入
(この不等式は、 と同等なので、本質的な評価は、
と、3. と全く同等である。だから、
を代入しても、1. と同等になり、うまく解ける。)
を読めばいいだろう。特に、2番目の正多角形でない折れ線は、ピタゴラスの定理と の評価だけで示せるので是非見ておきたい。
なお、
が成立する。
と置換すると
であるから、
が成立する。
この方法は、 というマクローリン展開を利用した評価である。
なお、
としても良い。 を用いる場合は、先ほどの
を用いる場合に比べて
の値が無理数となって評価が少し面倒になってしまうというデメリットがあるが、マクローリン展開に基づく不等式が簡単に示せるメリットがある。
なお、マクローリン展開を用いる場合、なるべく0近辺の積分区間をとる方が羃級数で評価したときの近似が良くなる。 を利用するときに、有理数で評価するために、
の値を使ってみると
から
まで積分するので、
から
と評価がゆるすぎることになる。
羃級数で展開しているのに、 まで積分してしまうと、
は減衰しないので羃級数の収束が悪くなるので、最初の数項だと評価がゆるゆるになってしまうのである。
ちなみに、無理数を避けてあくまでも まで積分したい場合は
を利用すれば良い(交代級数を下から評価するので、2項ずつ増やさないといけないので大変)が、この積分結果で得られる有理数(分母が)が 3.05 よりも大きいことを示すなら、
を使う方が楽である。この分母の巨大さから考えても、羃級数で評価したときに、
に近い値を代入することが不利であることがわかるだろう。
なお、この は、グレゴリー級数やライプニッツ級数と呼ばれる。収束は遅く、手計算の時代には、マチンの公式
が用いられてきた。マチンの公式の周辺に関しては
いずれにせよ、 の不等式で十分解ける問題なので、わざわざ
や
を持ち出すのはやや大袈裟といわざるを得ない(のでここで述べた別解は大したことない)。
2020.12.12記
ツイッターで
昨日教えてもらった π>3.05 のこの証明,実にエレガントだけれど,どうすれば思いつけるのか,そのからくりが謎……🤔 https://t.co/lyFuywsosI pic.twitter.com/iJFXJ5gLTK
— Yusuke Terada (@doraTeX) 2020年12月12日
という面白い方法があった。
上記の、
4.上に凸な の積分を2個の台形の面積で評価
(を利用。)
に近い方法で、 を 折れ線で評価するのではなく、
4次関数で評価している。言われてみれば当然の評価なのだが、思いつくのはすごい。
(a) を
の 0 から 1 までの積分を評価する.
(b) の
における接線は
であり、これは何と
上の
も通る。
この台形で面積を近似すると が得られる.
(c) あと、 を使って評価したいので、ベータ関数で評価する。
を通り、
で二次以上の接触をする関数として
の形で探したい。
として
だから、
が成り立てば
が成立するはず。
実際、
(等号は のみ)
と成立している.

と考えたのではないかと思う。
世の中広い。でも、 の
における接線が
を通ることがうまく効いているので、出題者はこの解法を使って
という値を決めたのではないかと思えるほどだ。
2021.04.17記
最近良くみる、半径17の四分円と一辺12の正方形で示すやつ、皆自分が見つけたように動画とかで配信しているのが草。2点間の距離の最小値が線分に限ることは明らかとして良いけど、円弧より折れ線が短いことは自明ではないのではないかな。

,
,
,
として, 中心半径17の円の部分である弧
について
は明らかだけど
は明らかではない。
から
に下した垂線の足より
の方が
よりも遠くにあるから、もしくは角
は鈍角だから
ぐらいは言及すべきだろう.
なお、 は円の内部にあるから,という説明は完全に誤りである.
また、 として,四角形
は四分円
に含まれる凸図形だから
というのも不十分.
凸図形 A が凸図形 B に含まれるとき、Aの周長よりもBの周長が長い
ということを示すのは本問よりも難しいからだ(多角形同士なら簡単ではあるが).
さえ示せていれば、
から となる.
なお, をわざわざ割算しなくても良い.そのための
である.
2023.12.05記
ベータ関数的な話の拡張についての記事。
2003年の東大の入試問題
— 渡邉究/数学科准教授/KADOKAWAより「すごすぎる数の図鑑」発売中/YouTube (@Kiwamu_Watanabe) 2023年12月2日
「円周率は3.05より大きいことを示せ」
は超有名問題だけど、以下の積分を計算すると、
より良い近似値が得られる。
皆さんご存知でしょうけど。
初めて知った時は驚いた。 pic.twitter.com/CzpH7xNyYL
昨日は忙しくて宣伝できていませんでしたが、こちらの投稿のおかげで日曜数学 Advent Calendar 2023の昨日の記事を書くことができました。(ありがとうございます!)個人的にはめちゃくちゃ面白い話ですのでぜひ読んでみてください!https://t.co/D5BpajeDTY
— 【絶対査読】査読査読ゅ査読査読【絶対査読】 (@integers_blog) 2023年12月4日
(リンクミスで再投稿ですm(_ _)m) https://t.co/5gEg6vG2Z7
integers.hatenablog.com
2024.10.10記
こんなの流れてきた.
おおきな方眼紙に円をかいて、円の中に入る正方形を数えて円周率を調べてみよう。
— apu (@apu_yokai) 2021年6月30日
線対象を使えば1/4だけ数えればいいよ。
半径が2529あれば、1/4の部分に
5020746個の正方形があるから、
円周率>3.14がわかるね! pic.twitter.com/7hvtQfCdAp
三平方の定理と円と三角形と台形の面積の公式だけで証明できました。ルートが出てこず四則演算のみで計算できるので一応小学生でも理解できるのではないのでしょうか pic.twitter.com/pu5he7k7zI
— おとみちゃん (@otomi_mermaid) 2021年6月30日
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を結ぶ7角形の面積と半円の面積の比較で が言える(3,4,5の直角三角形と 7,24,25の直角三角形を利用して四分円上の格子点を設定する).
は半径5525の四分円周上の46格子点を設定して47角形の面積を計算すれば求まるが草。
2024.12.01記
これは面白い.誤差が積もらないように,なるべく小さい角度を用いるのが吉.
これが一番はやいと思ってる。 https://t.co/6odbwkPncp pic.twitter.com/q5Cc5RqVpw
— かも浪 (@kamo_sci) 2024年12月1日
を
で積分して
から
より か,なるほど.
ちなみに となる.
また積分区間を とすると
から
となるものの,
とすると, で評価できない.
評価は結構神経を使うものだ.それにしても20年過ぎても色々出てくるなぁ。
2025.11.16記
最近も流行っている.新しい別解とか言うものの,基本的に であるから
を利用しているものばかりなので,あっ,その通りだよね.という感じ.その中でも確かにそうだよね,というのは
から導かれる
という不等式である.整理すると
となり,,
から
というものである.
他にも と
とから
を導くのもある.
ともかく本問は を利用する様々な解法があるということだ.