2022.04.25記
(1) 円を,正方形から離れないように正方形の周りを一周転がしたとき,円が通過する範囲の面積を求めなさい。
(2) 正方形を,向きを保ったまま(回転することなく),円から離れないように円の周りを一周動かすと,下の図(略)のようになります.
① 正方形が通過する範囲の外周(右はしの図の太線部(略))の長さを求めなさい.
② 正方形が通過する範囲の面積を求めなさい.
(3) 円の半径は10cm のままで,正方形の一辺の長さを変えました。(1)のように円を動かしたときに円が通過する範囲の面積と,(2)のように正方形を動かしたときに正方形が通過する範囲の面積が等しくなりました。このとき正方形の面積を求めなさい。
次に,半径が10cm の円と一辺の長さが15cm の正三角形について考えます。
(4) 正三角形を,向きを保ったまま(回転することなく),円から離れないように円の周りを一周動かしたとき,正三角形が通過する範囲の外周の長さを求めなさい.
2022.04.25記
1989年の東大文系の問題
1989年(昭和64年)東京大学-数学(文科)[4] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
の焼き直し.こうやって東大入試はやがて中学入試問題になっていく.
(1) 円の中心の動く長さは正方形の周と円の周の合計の となるので,センターラインの公式から求める面積は,それに を掛けて
(2) ① 正方形の周の長さの2倍と円周の長さを足したもので 182.8cm
② 四隅の四分円と、正方形の通過する領域の中の円の面積は等しいので,一辺の長さが50cm の正方形の四隅から一辺の長さ10cm の正方形を4つ切り落した図形の面積と等しく 2100cm
(3) 円を正方形のまわりに転がしたときの面積は
円の面積の4倍 + 円の直径×正方形の一辺×4
で計算され,正方形を円のまわりに転がしたときの面積は
正方形の面積の4倍 + 円の半径×正方形の一辺×8
となる.この2つが等しいので正方形の面積と円の面積は等しい.
よって正方形の面積は 314cm
(4) 正三角形の周の長さの2倍と円周の長さを足したもので 152.8cm
円の周りに凸図形で同じことを行うと,動かす凸図形の周の長さの2倍と円周の長さ和が外周の長さになり,面積は,凸図形の面積の4倍+凸図形の周×円の直径となることが知られています.面積の結果については大学への数学の宿題2021年1月号の「宿題」に出題されました.
数年後の中学入試の算数だと,この結果が常識になってしまうのだろうか.
2024.02.21記
ミンコフスキー和については
1965年(昭和40年)東京大学-数学(文科)[5] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
2005年(平成17年)山梨大学医学部後期-数学[3] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
2019年(平成31年)東京大学-数学(文科)[4] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
2020年(令和2年)東京大学-数学(理科)[2] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
を参照のこと