[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2005年(平成17年)東京大学前期-数学(理科)[4]

2024.02.18記

[4] 3 以上 9999 以下の奇数 a で,a^2-a10000 で割り切れるものをすべて求めよ.

2024.02.18記

[解答]
aa-1 は互いに素であり a(a-1)2^4\cdot 5^4 で割り切れ,a が奇数であることから,a-12^4 の倍数,a5^4 の倍数である.

よって a=A\cdot 5^4=B\cdot 2^4+1 をみたす自然数 A,B が存在する.ここで 3\lt a\lt 10000 から A1\leqq A \leqq 15 なる奇数である.

両辺を 16 で割った余りを考えると,5^4=16\times 39+1 であるから,A16 で割った余りは1となるが, 1\leqq A \leqq 15 なる奇数であることから,A=1 である.

よって A=1B=39)となり,a=625 となる.

625\equiv 1(mod 16)に気付かなければ,例えば次のように地道にやると良いだろう.

a=A\cdot 5^4=B\cdot 2^4+1 の両辺を5で余りを考えて B=5C+4 と書け,A\cdot 5^3=16C+13 となり,さらにこの両辺を5で余りを考えて C=5D+2 と書け,A\cdot 5^2=16D+9 となる.同様に D=5E+1 と書け,5A=16E+5 となり,さらに E=5F と書けて A=16F+1 となる.

いま 1\leqq A \leqq 15 なる奇数であるから A=1
F=0,E=0,D=1,C=7,B=39
となり,よって a=625 となる.