[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2004年(平成16年)東京大学前期-数学(理科)[2]

2024.02.18記

[2] 自然数2 乗になる数を平方数という.以下の問いに答えよ.

(1) 10 進法で表して 3 桁以上の平方数に対し,10 の位の数を a1 の位の数を b とおいたとき,a+b が偶数となるならば,b0 または 4 であることを示せ.

(2) 10 進法で表して 5 桁以上の平方数に対し,1000 の位の数,100 の位の数,10 の位の数,および 1 の位の数の 4 つすべてが同じ数となるならば,その平方数は 10000 で割り切れることを示せ.

2021.01.28記

[解答]
(1) n=10p+q とすると n^2=100p^2+20pq+q^2 だから
bq^2 の一の位,
a2pqq^2 の十の位の和を10で割った余り
である.よって a+b が偶数のとき,q^2 の一の位と十の位の偶奇は等しい.
このとき,q^2=0,4,64 だから,b=0,4

(2) (1)により,その平方数の下4桁は 0000,4444 のいずれかであるから,平方数の下4桁が 4444 にならないことを示せば良い.

平方数の下4桁が 4444 のとき,10000N+4444 と書けるが,偶数の平方数を4で割っても平方数となるので,(25N+11)\times 100+11 も平方数でなければならない.しかしこれは(1)に矛盾するので下4桁が 4444 の平方数は存在しない.よって下4桁が等しい平方数はその下4桁は0000 となり,10000 で割り切れる.